筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


7月の校長室から


 7月の校長室からをご覧いただき、ありがとうございます。
 「校長室からを楽しみにしています」という声をお聞きすることがあり、とても励みになっています。ご覧いただいている皆さん、本当にありがとうございます。
 7月に入り暑さがますます厳しくなってきますね。5月に気象庁が出した3か月予報どおりの暑さになりそうです。相手を気遣った「暑中お見舞い申し上げます」という挨拶がありますが、今の時代は「猛暑お見舞い申し上げます」が相応しいのかもしれません。「光君へ」の紫式部がこの暑さを体感したら驚くでしょうし、小説でどう表現するのでしょうか。
 さて、6月22日に第55回関東地区盲学校フロアバレーボール大会が埼玉県所沢市で開催されました。この大会は全国大会の予選も兼ねています。本校が目指すは、もちろん優勝と全国大会への切符。そのために生徒たちは1年間かけてスパイク・レシーブ・ブロックのスキルを磨き、戦術を練り、チームワークを高めてきました。放課後の体育館からはボールを打つ音が聞こえ、暗くなったグラウンドでは自主練習をする姿もありました。
 1回戦の相手は宿敵、埼玉県立特別支援学校塙保己一学園さん、全国大会2度の優勝を誇る強豪校です。実力はほぼ互角。セットカウント1対1で最終セットまでもつれ込む好ゲームでしたが、勝利の女神は本校には微笑みませんでした。
大会のパンフレット(表紙)  試合終了後の円陣ではうなだれて涙を流す生徒、その生徒の肩を支え寄り添う生徒、顔に悔しさをにじませる生徒たちの姿が。涙のわけは負けた悔しさなのか、ミスをした自分を責めているのか、辛い練習を思い出しているのか、、、、それは分かりませんが、フロアバレーボールに真剣に取り組んだからこその涙であることは間違いないでしょう。考えてみたら、私はこのような勝負で悔し涙を流したことがありません。もちろん嬉しい思いばかりしていたわけではありません。「どうせ~だから」という適当な気持ちで、真剣に向き合うことがなかったのだと思います。こんな私ですから、生徒たちには頭が下がります。
 この大会は関東地区盲学校という小さな社会の小さな大会かもしれませんが、真摯な姿勢でスポーツに打ち込み、満を持して大会に臨んだ生徒たちを誇りに思いたい。そして、スポーツだけでなく教室での学習、障害による困難さに相対する学習でもこの姿勢を大切にしてもらいたい。この積み重ねこそが、その後の学校生活、進路選択、将来の自立の場で活きてきます。負けていい試合などありませんが、次へのステップとなる敗戦であればいいのではないか。そんなことを考えながら生徒たちを見つめていました。
 上級生の悔し涙は下級生へと引き継がれました。来年こそ嬉し涙に変わるでしょう。
 フレーフレー 附属! 頑張れ頑張れ 附属! 
 優勝は、横浜市立盲特別支援学校さん。関東地区の代表として全国盲学校フロアボール大会での優勝を期待しています。
 ※画像は本大会のパンフレット(表紙)です。
 フロアバレーのピクトグラムと「彩の地から全国へ 灼熱の闘志を胸に。」という大会テーマが書かれています。


令和6年7月1日
筑波大学附属視覚特別支援学校
校長 青木 隆一

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