筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


校長室から

音で感じる、料理の時間―寄宿舎「サウンドフルクッキング」の取組―

 週末、寄宿舎で新しいクラブ活動の取組が行われました。
 その名も 「サウンドフルクッキング」。視覚に頼らず、音・触覚・においなど五感を使って料理を学ぶ調理プログラムです。
 今回の活動は、企業の社会貢献の一環として 味の素株式会社、株式会社電通の協力を得て実現しました。本校の寄宿舎生が中心となり、外部から参加した小学生と一緒に調理に挑戦しました。

 具材の状態は「手触り」で確かめる。
 フライパンの様子は「音」で判断する。

 こうした方法は、視覚障害教育の中で培われてきた安全な調理技術を基礎にしています。料理が初めての子供でも理解しやすく、安心して取り組める工夫が随所に盛り込まれていました。
 調理が進むにつれて、会場には「今、いい音がしてきた」「この感触はちょうどいいね」といった声があふれます。
 五感を働かせながら協力して料理を完成させたとき、子供たちの表情には大きな達成感が広がっていました。
 印象的だったのは、寄宿舎生が自然にリード役となり、参加した子供たちに手順を伝えていた姿です。普段の学校生活とはまた違う、生き生きとした表情を見ることができました。料理を通して人と人がつながり、互いに理解を深めていく。そんな温かな時間になりました。
 今回の活動は、視覚障害教育で培われてきた生活技術が、インクルーシブな学びへと広がる可能性を感じさせてくれるものでした。
 寄宿舎では、こうした交流や体験を通して、生徒の生活力や社会性を育む取組を今後も大切にしていきたいと考えています。
 料理の音、笑い声、そして「できた!」という喜び。
 その活動は、いつもとは少し違う、にぎやかな週末の時間が流れていました。


令和8年3月17日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司

校長室から バックナンバー

 以前の校長室からはこちらからご覧いただけます。

2025年度
2025年 4月4日「着任の挨拶・学校教育の方向性について・学校としての決意」
2025年 4月18日「新しい生活のスタートで学んだ “生きる力” 〜地域とともに、生徒たちとともに〜」
2025年 5月7日「地域に支えられて~放課後等デイサービス事業所との連携~」
2025年 5月23日「理学療法科の授業に協力して:社会に生きる力を育む実践の場」
2025年 6月2日「地元・大阪で輝いたその一蹴——ブラインドサッカー国際大会 優勝の報告」
2025年 6月23日「沖縄慰霊の日に寄せて ~平和を考える給食時間~」
2025年 7月7日「理学療法士国家試験における合理的配慮について ~視覚障害のある受験生のために~」
2025年 7月25日「足元の自然に耳をすませて~飯盛山登山に代わる自然観察から~」
2025年 8月5日「自立へつながるキャンパス体験~「支援を受ける側」から「支援を活かす側」へ~」
2025年 8月21日「視覚障害教育への熱きまなざし ~ それぞれの夏季研修の始まり ~」
2025年 9月2日「「準備は裏切らない!」——全国大会 優勝、そして次の挑戦へ!」
2025年 9月25日「音楽に込めた想い ―音楽科3年生の挑戦」
2025年 10月7日「未来の教師たちとともに ~自立活動の重みを伝えて~」
2025年 10月29日「あふれる二人羽織 ~視覚障害教育の基本~」
2025年 11月4日「からだを診る、こころにふれる ―ALSの方々との出会いから学ぶ―」
2025年 11月27日「「ちいさな力、大きながんばり!」みんなのうんどうかい」
2025年 12月9日「31人の世界が並んだ日 ~ 一日だけの作品展 ~」
2025年 12月22日「未来の理療師~養成施設との連携が拓く理療教育~」
2026年 1月7日「新年にあたってのご挨拶 ―150周年の節目の年―」
2026年 1月30日「挑戦の先に広がる学び ― トビタテ!留学JAPANを通して―」
2026年 2月12日「学校を支える温かなまなざし- 触感に込められた思いやり」
2026年 2月27日「視覚障害教育の現在地― 全国からの120名とともに考えた、授業と協議のかたち ―」

2026/3/17