このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
校長室から
地元・大阪で輝いたその一蹴——ブラインドサッカー国際大会 優勝の報告
このたび、本校の高等部普通科2年生島谷さんが、地元・大阪で開催された女子ブラインドサッカーの国際大会に日本代表選手として出場し、チームは見事「優勝」を果たしました。
また、本校の山本教諭は日本代表監督です。山本教諭は、「『故郷に錦を飾る』舞台ですね」と話していました。島谷さんにとって、ふるさと大阪での国際大会は、特別な意味をもっていたようです。
大会前、「地元でプレーするのが楽しみです」と話すその表情には、誇りと期待がにじんでいたことを思い出します。
予選リーグ、決勝トーナメント、日本チームが苦しい試合展開を強いられる中、いずれも島谷さんが唯一の得点を決めました。視覚障害のある選手が音と声、そしてチームとの信頼を頼りにピッチに立つブラインドサッカー。シュートに持ち込むボールコントロールと、身体の使い方、そして、その一蹴には、日々の鍛錬と競技への強い思いが凝縮されていました。
さらに代表チームには、本校の卒業生であり、ロンドンパラリンピック金メダリスト(ゴールボール)の若杉さんもメンバーとして名を連ねていました。経験豊富な彼女は、最年少である島谷さんのプレーを精神的にも技術的にも力強く支え、大会全体に安定感と信頼をもたらしました。世代を超えてつながるその姿は、本校の教育の積み重ねを象徴するようでもあり、胸が熱くなります。
大会後、島谷さんは校長室に報告に訪れました。手には輝く「金メダル」。そのメダルを手に取らせてもらった瞬間、その重みは単なる金属の重さではなく、努力と挑戦、支えてくれた人々への感謝が詰まった重みでした。私は、深い感動と誇らしさを胸に刻みました。
島谷さん、本当におめでとうございます。あなたの一歩一歩が、関わる方々への励みになっています。
本校はこれからも、生徒一人一人の夢と挑戦を大切にし、その歩みを支えてまいります。
令和7年6月2日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司
校長室から バックナンバー
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