このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
校長室から
未来の理療師~養成施設との連携が拓く理療教育~

12月に入って、約1か月にわたり、本校鍼灸手技療法科で実習を行ってきた筑波大学理療科教員養成施設で学ぶ生徒(実習生)による研究授業が行われました。緊張の中にも、生徒一人一人の学びを丁寧に支えようとする姿勢が感じられ、これまでの実習の積み重ねが形となって現れた授業でした。
本校の鍼灸手技療法科は、未来の視覚障害のある理療師の人材を育成するための理療科教員養成施設の教育実習生を受け入れるという役割を担っていることで、教育と専門職育成が連動していることを、今回の実習を通して改めて感じる機会ともなりました。
視覚障害教育における鍼灸手技療法科の授業では、情報提示の工夫、触察による支援、言語化の丁寧さなど、多くの配慮が求められます。実習生の皆さんがそれらを一つずつ考え、授業に反映させようとしていた姿は大変頼もしく、未来の指導者としての可能性を強く感じました。
また、この1か月間、実習生の皆さんは授業だけでなく、学校運営に関わる日常の公務や校務分掌の業務、一職員としての服務の在り方にも触れました。学校は、教室の学びだけでは成立せず、職員一人一人の責任と協働によって支えられる組織です。教育活動と専門職育成をつなぐ「学校のリアル」を体験していただけたことは、将来必ず大きな財産になることでしょう。
研究授業後の合評会では、多くの助言と温かい激励が寄せられました。これらは、未来の理療教育を担い、次代の理療師の育成に関わっていく皆さんへの期待の表れです。今回の経験を糧に、専門家として、そして教育者として、さらに大きく成長されることを願っています。
実習生の皆さん、本校での一か月間の挑戦と学び、本当におつかれさまでした。皆さんのこれからの活躍を、心から期待しています。
令和7年12月22日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司
校長室から バックナンバー
以前の校長室からはこちらからご覧いただけます。
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2025年 4月18日「新しい生活のスタートで学んだ “生きる力” 〜地域とともに、生徒たちとともに〜」
2025年 5月7日「地域に支えられて~放課後等デイサービス事業所との連携~」
2025年 5月23日「理学療法科の授業に協力して:社会に生きる力を育む実践の場」
2025年 6月2日「地元・大阪で輝いたその一蹴——ブラインドサッカー国際大会 優勝の報告」
2025年 6月23日「沖縄慰霊の日に寄せて ~平和を考える給食時間~」
2025年 7月7日「理学療法士国家試験における合理的配慮について ~視覚障害のある受験生のために~」
2025年 7月25日「足元の自然に耳をすませて~飯盛山登山に代わる自然観察から~」
2025年 8月5日「自立へつながるキャンパス体験~「支援を受ける側」から「支援を活かす側」へ~」
2025年 8月21日「視覚障害教育への熱きまなざし ~ それぞれの夏季研修の始まり ~」
2025年 9月2日「「準備は裏切らない!」——全国大会 優勝、そして次の挑戦へ!」
2025年 9月25日「音楽に込めた想い ―音楽科3年生の挑戦」
2025年 10月7日「未来の教師たちとともに ~自立活動の重みを伝えて~」
2025年 10月29日「あふれる二人羽織 ~視覚障害教育の基本~」
2025年 11月4日「からだを診る、こころにふれる ―ALSの方々との出会いから学ぶ―」
2025年 11月27日「「ちいさな力、大きながんばり!」みんなのうんどうかい」
2025年 12月9日「31人の世界が並んだ日 ~ 一日だけの作品展 ~」

