筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


校長室から

理学療法科の授業に協力して:社会に生きる力を育む実践の場

 本校には、職業教育の一環として「理学療法科」を設置しています。理学療法科では、理学療法士(PT:Physical Therapist)を志す生徒たちが、3年間を通して専門的な知識と技術を段階的に身につけていきます。6月から始まる臨床実習を前に、理学療法科では「バイタルサインの測定」に関する演習が行われ、私もその授業に協力する機会を得ました。
 この演習は、心拍数や血圧、呼吸数、体温といった生命維持に関わる基本的な情報を的確に捉える力を養うことを目的としています。生徒にとっては、普段はあまり関わる機会のない先生方を対象に、模擬患者として実際に測定を行うという、実践さながらの学習機会です。 
測定している様子  私が参加した際、担当した生徒はやや緊張した面持ちで測定に臨んでいましたが、その表情や所作からは「丁寧に、誠実に対応しよう」とする強い意志が伝わってきました。聴診器の扱い方や声かけ一つひとつに、これまで学んできたことを生かそうとする姿勢が感じられ、将来、実際の現場で患者さんに寄り添う療法士として活躍する姿が思い浮かびました。
 学校という場は、単に知識や技能を習得する場所ではなく、「社会に出て、人と関わりながら生きていく力」を育てる場所でもあります。こうした授業の積み重ねが、生徒たちの自信となり、社会で信頼される専門職として成長していく礎となっていくのだと改めて感じました
 理学療法科の取り組みは、まさに「社会とつながる学び」の好例です。本校では、こうした実践的な教育活動を通じて、生徒一人一人が自らの将来を見据え、療法士に必要な資質・能力を育むことができるよう、教職員一丸となって支援してまいります。
 今後も、地域や社会とのつながりを大切にしながら、理学療法科をはじめとする本校の職業教育の充実を図っていきたいと考えています。


令和7年5月23日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司

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2025/5/26