墨字が漢字仮名交じりの表意文字であるのに対して、点字は音で表す表音文字です。双方の互換性を同時に機能できるソフトウェアは、現在ありません。
しかし、漢字仮名交じり文は、EXTRAなどの自動点訳ソフトによって、点字表記に基づき適切な点字専用形式(BES,BSEなど)に変換することができます。自動点訳ソフトはとても便利ですが、固有名詞や地名、あるいは点字のレイアウトに沿った整形処理においてはやや課題もあり、点字出力後に内容を確かめてから点字文書の完成を目指すプロセスが求められます。
また、近年は、スマホのアプリで、点字文書をカメラで読み取ると、画像解析してひらがな表記するようなものが登場しています。点字使用のお子さんが書いた内容を保護者がすぐに確認したりする際に使うことができます。
点字使用者は、点字入力による点字文書作成だけでなく、漢字仮名交じり文をテキストファイル、Microsoft Word文書、メール本文などで作成し、活用しています。漢字一つ一つを触って確認することはできませんが、スクリーンリーダーによる読み上げで、意味から推測して適切な漢字を判断することができます。該当の漢字が、熟語としてどのように用いられるのか、音訓の読み方と併せて、意味から説明する機会を意図的に設けるとよいでしょう。