筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

はじめに

 ワープロやパソコンは事務能率を上げただけでなく、視覚障害を補償する便利な機器として、盲教育にも盲学校の現場にも大きな変化をもたらした。点字資料の作成は亜鉛板製版に変わって、パソコンを使用しての点字入力やパソコンによる自動点訳が行われるようになり、パソコン制御の点字印刷に変わっている。墨字使用の生徒だけでなく、点字使用の生徒の作る資料もワープロを使用して普通文字の文書が書かれるようになった。また、通信やCD-ROM、文字読み取り装置の活用で今まで不可能と思われていた「読む」という側面でも大きな変革をもたらしつつある。

 学校教育にパソコンが導入され、指導要領の改訂で数学や技術などの教科内容に位置づけられたり、高校には「情報処理」の科目を置くことができるようになった。本校においても、高等部には学校の独自性で置くことのできる「その他の科目」として「情報処理技術」を開講しており、専攻科においては「理療情報処理」「理学療法情報処理」の科目で指導を行っている。

 この章では、盲学校におけるパソコン利用の意義、本校における情報処理に関する研究経過、および、指導の実際と、盲学校のかかえている課題について述べたい。

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2007/04/09