筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

教育活動等の紹介

 不定期ではありますが、このページでは、日々の教育活動を中心に、本校主催の研修会報告、卒業生の活躍などを紹介していく予定です。


令和6年オリンピック・パラリンピック教育 パリ2024パラリンピック競技大会壮行会

 7月11日(水)に本校を会場にパリ2024パラリンピック競技大会に出場する選手の皆さんを激励する気持ちを込めて壮行会を開催しました。
 当日は競泳代表の木村敬一選手、ゴールボール女子代表の安室早姫選手、高橋利恵子選手、天摩由貴選手、萩原紀佳選手、ブラインドサッカー代表園部優月選手、鳥居健人選手、永盛楓人選手が参加してくださいました。
 第一部では選手の皆さんから決意表明をいただきました。今大会初出場となる安室選手、鳥居選手、永盛選手からはそれぞれ、初のパラリンピックに臨む意気込みを語っていただきました。今大会で通算5回目の出場となる木村選手は「東京大会が終わった後も、スポーツにはどこまでやっても、まだまだ強く、速くなる方法(可能性)はいくらでもあることを感じた。スポーツ以外も同じ。ここまでできるようになったから結構いいかなと思っても、とことん突き詰めてほしい。」と、力強い言葉をいただきました。第一部の結びとして、小学部児童から選手へエールが送られました。
 第二部では選手たちに生徒からの質問に答えていただきながら、対話形式で会が進んでいきました。生徒からゴールボールチームの皆さんに「ボールを正確に投げるコツは?」という質問が投げられ、チームでポイントゲッターを務める萩原選手は「背中でゴールを確認したり、足でラインを確認してまっすぐをきちんと理解することが大切。」と答えてくださいました。また、挫折を乗り越える方法についてはアスリート一人ひとり違った向き合い方があり、天摩選手は「素直に落ち込んでたくさん寝て忘れる。自分に素直になってあげることも大切。」園部選手は「怪我から立ち直って、活躍する自分の姿を想像しながらリハビリや練習に励んでいる。」と語ってくださいました。
 壮行会の締めくくりとして、本校高等部普通科アスリート育成プログラム生で結成された応援団が中心となって、選手にエールを送りました。
 出場選手の皆さんのご活躍を心より祈念しております。

【パリ2024パラリンピック出場選手】
★競泳代表
 石浦智美選手
 小野智華子選手
 木村敬一選手
★陸上競技
 堀越信司選手
★ゴールボール女子代表
 安室早姫選手
 高橋利恵子選手
 天摩由貴選手
 萩原紀佳選手
★ブラインドサッカー男子代表
 園部優月選手
 鳥居健人選手
 永盛楓人選手
★トライアスロン男子代表
 米岡聡選手
★柔道代表
 加藤裕司


(2024年7月22日)

関東甲信越地区盲学校弁論大会

 7月5日に都立八王子盲学校にて、令和6年度関東甲信越地区盲学校弁論大会が開催され、本校から理学療法科1年の渡辺健さんが代表として出場しました。
 気持ちのこもった堂々とした弁論で、見事第2位に輝きました。
 10月4日に開催される全国大会への出場が決まりましたので、引き続き応援を宜しくお願いいたします。

関東甲信越地区弁論大会の様子1 関東甲信越地区弁論大会の様子4
関東甲信越地区弁論大会の様子2 関東甲信越地区弁論大会の様子3

(2024年7月5日)

PTA保護者学習会・懇親会(小学部)

 6月20日の参観日の午後にPTA保護者学習会および懇談会を実施しました。学習会と懇談会で延べ22名の方にご参加いただきました。
 当日は会議室での講義の後、アイマスクを着用して伝い歩きや白杖による単独歩行、手引き歩行、レーズライターや触察の体験をしました。また、ロービジョン(弱視体験)ゴーグルを着用しての単独歩行、階段昇降、読書や迷路等を体験しました。
 体験後の感想発表や懇談会の場面では、学習会の感想や家庭での様子についてなど、活発な意見交換が行われました。
 

講義の様子 レーズライター体験
手引き歩行 伝い歩き

(2024年7月17日)

小学部6年生修学旅行―静岡

 小学部6年生が、6/5(水)~7(金)の日程で静岡方面へ修学旅行を実施しました。
 1日目の朝9時30分 東京駅に集合し、東海道新幹線に乗って掛川駅に移動しました。1日目の午後は、「キウイフルーツカントリーJAPAN」での活動でした。東京ドーム3つ分ある敷地には、緑豊かな茶畑や森林、頭上いっぱいにキウイフルーツの木の枝葉が広がっていました。空に向かって手を伸ばすと、小さく硬いキウイの実を触れて確かめることができました。昼食後の3種のキウイの食べ比べ (ゴールデンイエロー・ヘイワード・香緑)では、甘酸っぱい新鮮なキウイをお腹いっぱいいただきました。茶摘み体験では、木の枝先部分をじっくり触れて確かめながら「一芯二葉」を探し出し竹籠に摘んでいきました。
 2日目午前は、静岡駅前にある「静岡科学館る・く・る」を見学しました。たつまきを体感したり、空気がボールを浮かせるふしぎな体験をしたり、レバーを引く速さでプロペラを飛ばす高さが変化するしくみを楽しんだり。子どもたちの好奇心が刺激される展示物がたくさんあり時間を忘れて見学していました。
 2日目午後は、再び新幹線に乗車し楽器の街・浜松へ。浜松駅から歩いて10分ほどの「浜松市楽器博物館」に向かいました。館内には、世界各地から収集された楽器が展示され、きらびやかな彩色・装飾が施されたアジアの珍しい楽器の視聴、歴史的価値の高いピアノの見学、昔懐かしい足踏みのオルガン・馬頭琴・コンガなどの演奏体験などを楽しみました。
 3日目の朝は、静岡駅からバスに乗り「静岡市立登呂博物館」を目ざしました。ガイドさんに解説をしていただきながら、土器・器・農機具などの触察、高床倉庫・祭殿・竪穴式住居の見学、火起こし・田植え・稲刈り・脱穀などの模擬体験を行いました。
 修学旅行最後の食事となった3日目の昼食は、静岡駅にあるお店で餃子や焼きそばなど好みのご当地グルメを堪能しました。旅のしめくくりはお土産購入!!財布と相談しながら自分や家族へのお土産をじっくり選んで購入することができました。帰りの新幹線ではおやつを食べたり、しりとり遊びを楽しんだり、旅の思い出を語り合ったりしながら過ごし、あっという間に東京駅に到着しました。
 3日間天候にも恵まれ、6年生7名が皆元気に過ごすことができました。2泊3日の修学旅行の思い出は、貴重な経験としてそれぞれの心に刻まれていくことと思います。

木に実っているキウイフルーツの観察 茶摘みの様子 科学館での様子
楽器博物館での様子 登呂遺跡での様子 祭殿の観察

(2024年7月17日)

歯磨き週間(小学部)

 6月4日~10日は、全国の「歯と口の衛生週間」でした。今年度小学部では、これに合わせて、「歯磨き週間」を設定しました。この期間中、毎日給食後にクラスで歯磨きに取り組みました。また、養護の先生が順番にクラスを回り、大きな歯の模型と特大の歯ブラシを使って、正しい歯磨きのしかたを指導してくださいました。
 「虫歯にならないのは、大事だからね!」と張り切って磨く児童や、磨き終えたときに、「すっきりする。」「毎日やりたい。」と言う児童もいました。歯磨きへの意識や、意欲が高まったようです。

模型と歯ブラシで練習1 模型と歯ブラシで練習2

(2024年7月17日)

高等部 オペラ事前学習

 7月5日金曜日、419教室にてオペラ鑑賞事前学習を行いました。今年度はプッチーニ作曲の『トスカ』です。
 高校2年の校外学習行事である新国立劇場「高校生のためのオペラ鑑賞教室」に向けての事前学習は、本校の誇る伝統的な授業の一つでもあります。
 年度初めから出演者で集まり稽古を重ね、『トスカ』の名場面を演奏しました。
 メインキャストは主に音楽科卒業生が、『トスカ』に欠かせない鐘の音と大砲の音、銃声などの打楽器、サブキャストは音楽科在学生が担当しました。
 卒業生にとっても、自身が高校2年生の時に経験した事前学習。
 後輩たちにより充実した内容を届けるべく、日々作品への理解を深め、練習に励んだ半年でした。
 教員のナレーションと共に展開されるドラマに、生徒たちはハラハラドキドキしていた様子。
 中には「感動して泣いてしまった」と語る生徒もいました。
 どのシーンも臨場感あふれ感動的でしたが、特に教室内にいる全員で歌った第1幕のフィナーレ「行け、トスカ」の合唱部分は、作品をより深く体感するために欠かせない場面でした。
 作品をただ鑑賞するだけでなく、歌唱や演奏で自ら作品の中に入る体験を通して、18日の鑑賞教室への期待も増すステージになりました。
 今回の事前学習の様子の一部は、10月25日「ワールド・オペラデー」にて新国立劇場のYouTubeやInstagramなどのSNSで配信される予定です。卒業生や生徒たちの様子をぜひご覧ください!

オペラ事前学習1 オペラ事前学習2

(2024年7月12日)

中学部English Roomを行いました

 中学部のEnglish Roomでは、本年度はルーマニア出身の方を講師に迎えて実施しました。講師の先生は英語圏の方ではありませんでしたが、母語を違える者同士で英語を使うことでコミュニケーションを取ることができると実感できるという良い経験になりました。
 第1回目のEnglish Roomでは中学部生徒全員を対象に「異文化理解」をテーマに行いました。生徒たちは、日本人にとってなじみのないルーマニアの国や文化について学び、動物の鳴き声についてルーマニアではどのように言うのかなど、日本との違いに生徒たちは驚いていました。また、生徒からの質問タイムでは、「日本のアニメは好きですか」、「ルーマニア料理で好きな料理は何ですか」などの多くの質問が飛び交い、講師の先生と交流を深めることができました。

English Roomの様子
English Roomの様子

(2024年7月12日)

高等部3年 歌舞伎鑑賞教室

 6月14日(金)、高等部3年生は「歌舞伎鑑賞教室」に行ってきました。独立行政法人日本芸術文化振興会主催の「歌舞伎鑑賞教室」は、例年永田町にある国立劇場で開催されています。しかし2023年から国立劇場は全面立て替え工事が始まり、その工事期間中は他の劇場で公演されています。今年は、サンパール荒川での実施となりました。
 この公演では、初めて歌舞伎を観る人でも分かるように、初めに「歌舞伎の見方」という解説があり、その後演目が上演されます。今回は「恋飛脚大和往来 封印切」という作品で、上方の庶民の生活を描いた演目でした。
 事前学習をして臨んだものの、やはり生徒達にとって歌舞伎は馴染みが薄く、台詞やストーリーが理解できるか不安があったようです。しかし、観客席の最前列に座り、音声ガイドも利用しながら鑑賞したことで、歌舞伎の魅力を感じることができました。特に、場面によって演技が変わる様子や、下座音楽やツケが役者さんの演技と連動している様子を感じ取ることができ、生きた演技を十分に堪能できたと思います。
 生徒たちの感想の一部をご紹介します。


  • 私は最初、歌舞伎は昔の言葉で話が進むだろうからあまり理解できないだろうと思っていた。それに、現代の舞台よりも場面のイメージがしにくく、話に入り込めず眠くなってしまうかなと思っていた。しかし、本編の前に見た「歌舞伎の見方」で、歌舞伎はそこまで難しいものではないのかもと感じて本編に興味が湧いた。そして、実際に「封印切」を見て、歌舞伎は面白いなと思った。案外、話の内容はすんなり理解できたし、出囃子などの歌舞伎特有の音楽によってより世界観に引き込まれた。今回、実際に歌舞伎を見たことで、自分の歌舞伎に対する印象がここまで変わったので、見に行けてよかったなと思う。
  • 歌舞伎鑑賞は、全体として新たな経験になった。なぜなら、今迄一度も歌舞伎を鑑賞したことがなかったからだ。
    歌舞伎事態については、誇張することに魅力があると感じた。リアルを追及した劇とは違い、喋りの特徴から演技、効果音まで独特な雰囲気だった。この雰囲気があるからこそ、歌舞伎は人を引き付けるのだなと思いながら鑑賞していた。
  • 今回の歌舞伎鑑賞教室で特に驚いたのは、演出の細かさです。衣装や小道具だけでなく、舞台のセットも2階まで細かく作り込まれていたり、女形の役者さんたちの所作もお淑やかで女性らしく、男役との演じ分けもここまで細かいものなのかと驚きました。
    また、最も印象に残っている場面は、忠兵衛が封印を切ってしまったところです。その場面での忠兵衛の心臓の音を表しているという不規則なリズムの三味線が、最前列だったからこそダイナミックに聞こえてきてとても印象に残っています。

歌舞伎鑑賞教室1 歌舞伎鑑賞教室2

歌舞伎鑑賞教室


(2024年6月25日)

高等部1年 遠足

 5月10日(金)、高等部1年生16名が立川市にある国営昭和記念公園に遠足に出かけました。
 8時30分に学校を出発し、電車を乗り継ぎ、10時過ぎに公園に到着。今年の遠足のメインイベントは、大人2人が前後で乗れるタンデム自転車です。(今やタンデム自転車での公道走行は47都道府県すべてで解禁されています。)そして4台のタンデム自転車を借り、4グループに分かれ、4人ずつ公園内のサイクリングロードを走ります。前に乗るパイロット役は先生です。「せーの」という掛け声とともに息を合わせてこぎ始めます。小さい頃に自転車に乗った経験のある生徒から今回初めて自転車に乗る生徒まで様々でしたが、みんな何とか無事にスタート!爽やかな風を受けながら、お花畑や木々の間を気持ちよく約15分ずつ疾走しました。始めてタンデム自転車に乗った生徒は「風を感じて気持ちよかった。最初は肩に力が入ったけど、途中からは慣れて楽しかった。あまり自転車に乗る機会がなかったのでいい経験になった。」と話していました。
 タンデム自転車の順番を待っている間、「転がしドッヂ」をして遊びました。転がしドッヂとは、音の鳴るボールを使って空中ではなく、地面を転がすドッヂボールのことです。晴天の下、だだっ広い芝生の上で体を動かすのは学校のグラウンドや体育館とはまた一味違った爽快感でした。
 昼食は渓流広場レストランで、涼しい風を受けながらオムライスを食べました。実は事前の希望では、ハンバーグカレーとオムライスでクラスが真っ二つに分かれましたので、大じゃんけん大会でオムライスに決定したという経緯があります。でもみんな無事においしそうに食べていました。
 午後は、公園散策です。約4キロの道を歩いたのですが、途中には満開のネモフィラ畑もありました。記念撮影とともに、香りを楽しんだり、少しだけそっとお花を触らせてもらいました。公園の出口のところにもカモミールのハーブ園があり、香りをかいでリフレッシュした気持ちで帰途につくことができました。生徒からは、「自然がいっぱいできれいだった。気分転換になった。普段あまり見ることのできない花に触れて、おもしろかった。」という感想が出ていました。

タンデム自転車体験
タンデム自転車体験

(2024年6月19日)

幼稚部 親子遠足

 5月24日(金)、幼稚部親子遠足を実施しました。今年度は、昨年開園した練馬城址公園に行きました。親子遠足に行くことを予告した日から「遠足いつだっけ?」「明日の次の日は…遠足!」等、子どもたちはこの日を楽しみにしていました。当日は晴天に恵まれ、遠足日和でした。
 公園では、自己紹介や親子でリズム運動をした後、遊具で遊びました。リズム運動は保育の中で親しんできた歌に合わせて、お家の人と一緒に体を動かしました。公園の遊具は、いろいろな種類のすべり台やブランコ、幅の広いシーソー、トランポリン等、魅力的なものがたくさんありました。お友達やお家の人と一緒に遊具に乗ったり、お気に入りの遊具を見つけて繰り返し遊んだりしながら、楽しい時間を過ごしました。

みんなでリズム運動 一緒に乗ったね、ブランコ ぼこぼこするなあ、滑り台
みんなでリズム運動 一緒に乗ったね、ブランコ ぼこぼこするなあ、滑り台

(2024年6月17日)

春の校外学習(小学部 低学年)

 小学部1・2年生は、5月21日(火)に、春の季節を感じたり、友達や教師と仲良く過ごしたりすることを目的として、春の校外学習を実施しました。場所は、学校近くの文京区立目白台運動公園です。
 当日は天候に恵まれ、とても広い芝生の上で、おもいきり自由に走り回ったり、集団遊びを行ったりして楽しむことができました。集団遊びは、春の校外学習に向けて、子ども会の時間を使って、自分達で決めました。その中で、見えない子も、見えにくい子も、全員が楽しむための工夫を話し合って考えることができました。遊んだ後は、児童が楽しみにしていたお弁当タイムです。「大好きな〇〇を入れてもらったよ。」、「おいしい!!」などと言いながら、幸せそうにお弁当を食べていました。
 春の校外学習を通して、より友達のことを知り、仲を深めることができました。

芝生の上で遊ぶ様子 お弁当を食べる様子

(2024年6月12日)

春の校外学習(小学部 高学年)

 5月10日(金)、3~6年生は「埼玉県こども動物自然公園」へ行きました。当日は天候にも恵まれ、絶好の遠足日和でした。
 バスで1時間ほど揺られ、到着してからまず触れ合ったのは、ヤギや羊、テンジクネズミ。児童たちは、「動物のにおいがする~!」「鳴き声が聞こえたね!」「体、あったかいね」「かわいい!」等と、たくさんの発見や気付きを周りの友達や教師と共有していました。
 午後は、ポニーの乗馬体験を行いました。初めて乗馬をする児童は、「こわい~」、「落ちないかなあ」、「心配になってきた…」と、ドキドキしている様子でしたが、いざ乗ってみると、「最高だった!」、「(1周だけでなく)1000周くらいしたい!」等と興奮気味で感想を口にしていました。
 気持ちの良い天気の中、たくさんの動物達と楽しく触れ合うことができました。

テンジクネズミの観察 羊の観察 ポニーの乗馬体験

(2024年6月12日)

中学部 春の遠足

 5月10日、皇居周辺で「春の遠足」を実施しました。中学部では、皇居周辺のスポットを巡りながら、歩行の力や集団行動の力の伸長を図っています。
 当日は、すがすがしい天候で、永田町駅から国会議事堂周辺、三宅坂、千鳥ヶ淵、武道館前を経由して飯田橋駅までを歩きました。
 3学年の生徒が混ざった班で行動したことで、普段会話の機会が少な生徒同士で会話を楽しむ様子が見られました。

日本水準原点を見学する様子 武道館付近を歩く様子
日本水準原点を見学する様子 武道館付近を歩く様子

(2024年5月22日)

高等部生徒が彫刻鑑賞教室に参加

 4月23日火曜日の午後、公益社団法人日本彫刻会が上野にある東京都美術館で開催している「第53回日彫展」に高等部3年生全員と2年生の美術選択者が出かけ、作家のみなさまに説明をしていただきながら、思う存分彫刻を触って鑑賞しました。彫刻に秘められている作家の思い、作成の過程、素材が示す手触りや質感の違い、様々に表現されている形などを、各自のペースでじっくりと味わったり、考えたりすることができました。鑑賞の前には、各作家から、彫刻との関りについてのコメントを聞いたり、美術館のアクセシビリティについて研究している本校卒業生の大先輩から、視覚障害者の美術館へのアクセスの課題等について話を聞いたりすることができました。鑑賞の後には、グループで意見交換し、印象に残っている作品とその理由を、全体に向けて発表しました。
 以下は生徒の感想の一部です。

 作家の方がおっしゃっていた目を瞑って彫刻を鑑賞することと音楽を鑑賞することは似ているという話が印象に残っています。目を瞑って触って鑑賞すると初めは全体像がわからないが、ゆっくりと触っていくうちに全体の形が見えてきます。これが、イントロの初めの音だけではどんな曲かわからないが、曲が進むにつれ曲の雰囲気がわかってくることに似ているということです。これを聞いた時、確かになと納得したと同時に、目の見えない僕たちが美術作品を楽しむ上でのポイントかなと思いました。

 今回の教室では、「空間」という言葉が印象に残った。彫刻は一つの物体ではあるのだが、それが存在するのにぴったりな空間を想像すると、彫刻がもつ物語が広がるような感じがした。またご案内の際に、作家の方がお話になる前に、自分でみてイメージを膨らませる時間を下さったので、作品の世界に入りやすかった。
 これまで、彫刻に触れる機会があまりなかったので、とても貴重な体験だと感じた。彫刻を触ることのできる場所はまだ少ないようだが、触ることで感じられるものがあると思う。材料に特有の質感や、見るだけではわかりづらい作品の温度、その温度からくるであろう作品のエネルギーまでも読み取れるような気がしている。彫刻以外にも、五感をフル活用して作品を鑑賞できる機会が増えてほしいと、感じている。

 普段、美術館に行って彫刻を触ると大層怒られるので今回の体験はとても貴重なものでした。目では分からない、手で触るからこそ作家さんが細部まで拘っているのが見えて面白かったです。目では全て同じように見えるのに触ってみると服や髪、腕、顔など1つの作品で触り心地が違ったり、同じ材料で作成された作品も作家さんによって別物のようになっていたり。彫刻から温もりを感じるという不思議な体験もしました。彫刻って遠くから眺めて「凄いなぁ」で終わりじゃないんだと初めて気づかされました。


(2024年5月17日)

日彫展・触れる鑑賞教室 小学部4・5・6年

 小学部4・5・6年生19名が、4月26日午後、東京都美術館(台東区 上野)で開催されている第53回日彫展に足を運び、触れる彫刻鑑賞教室を行いました。
 今年で3回目となる本行事は、彫刻家をはじめとするガイドの方々と、対話を通して彫刻作品に触れることのできる大変貴重な機会となっています。
 事前学習では、
 ・作品は、作家の方が心をこめて制作したもの。大切に触れよう。
 ・彫刻が、様々な素材や表現方法でつくられていることに気付き、興味関心を持とう。
という点を確認し、昨夏、学校に寄贈された彫刻家 中村宏氏の作品を使って触り方の学習を行い、鑑賞会に臨みました。
 当日、子どもたちは、鑑賞ガイドの方々とそれぞれの味わい方で鑑賞会場を巡っていました。
 素材の種類(石・粘土・石膏・木・金属等)、大きさ、質感を楽しむ児童、動物やユニークなモチーフの彫刻に興味を持ち気に入った作品を繰り返し鑑賞する児童、彫刻のフォルム・作品テーマや表し方・作家の心情にせまり鑑賞を深める児童等、様々な姿が見られました。
 鑑賞後のまとめの時間では、感想発表をしたり、お世話になった方々に手づくりのキーフォルダーやマグネットをお渡しし感謝の気持ちを表したりしました。
 視覚に障害のある子どもたちが、美術館に出向いて鑑賞ガイドの方と共に館内を歩き、体全体で彫刻作品にふれあうことのできる貴重な体験。芸術の奥深さや表現の豊かさを知り、それぞれの表現活動に活かすきっかけになることを願っています。

鑑賞の様子

(2024年5月15日)

新入生歓迎会(小学部)

 4月24日(水)に小学部新入生歓迎会がありました。体育館に小学部全学年の児童が集まり、1年生5名を囲んで自己紹介や各学年からの出し物を行いました。各学年の出し物では、1年生はメリーさんのひつじ、2年生は得意なこと発表、3年生はかえるじゃず、4年生はなぞなぞクイズ、5年生は学校クイズ、6年生は自己紹介に関係するクイズで盛り上がりました。最後には「はるがきた」の合唱を行い、楽しいひと時を過ごしました。これから、様々な活動や行事で親睦を深めていければと思います。

1年生の出し物

(2024年5月15日)

中学部3年 修学旅行

 本校中学部3年生11名が、4月24日~26日の2泊3日で福井方面での修学旅行を実施しました。
 東尋坊遊覧船への乗船、恐竜博物館見学、そば打ち体験など、日常生活の中で体験の少ない活動を多く取り入れました。また、鉄道好きな生徒が多い学級とあり、路線が延伸したばかりの北陸新幹線を利用することに大興奮の旅行でした。
 現地でお世話になった皆様、ありがとうございました。

恐竜博物館で展示を見学 東尋坊での移動
恐竜博物館で展示を見学 東尋坊での移動

(2024年4月30日)

高等部1年 公共 特別授業

 2024年3月6日、高等部1年生「公共」の授業の一環として、三井住友海上株式会社から講師の方をお招きして「保険」に関する講義を行いました。講師は、高等部卒業生で東京パラリンピック・トライアスロンのメダリストでもある米岡聡(ヨネオカサトル)さんです。保険の仕組みや視覚障害者が保険の契約時に注意すること、事故に遭った時の対応の仕方など、様々な実践的知識を教えていただき、生徒たちは「もしもの時の備え」の大切さを学ぶことができました。
 生徒の感想の一部を紹介します。
 「傷害保険はわりと色々なところで適用されるということ。月々の積み立ては必要だが何かあってからでは遅いので今のうちに理解を深めておけてよかった。」
 「具体的な事例や、事故が起きた時の対処手順まで教えていただけて、とても分かりやすかった。保険についてほとんど知らなかったため、自分の将来加入するであろう保険について考えるきっかけになった。」

授業風景
授業風景

(2024年4月25日)

高等部2年 地学巡検

 高等部理科(地学基礎)では校外学習として、神奈川県三浦市の城ヶ島で地学巡検を実施しています。3月10日日曜日に実施した巡検は、穏やかな晴天で巡検日和となりました。
 城ヶ島は三浦半島南端にある東西方向に長い島です。島の中央南側で太平洋を正面にして立つと、左手側(東)から右手側(西)までほぼ180°の水平線を見渡すことができます。また、左手側には房総半島、ほぼ正面(南)には伊豆大島、右手側には伊豆半島と富士山を望むことができます。生徒たちは、引率教員に手を取ってもらい、水平線の広がりや各半島などの位置を指差して確かめました。また、感光器を用いて、空と海の境界線(水平線)を確認しました。
 海岸では、貝の話を聞いたりイソギンチャクに触れたり、海の香りは前年11月に修学旅行で訪れた沖縄の海とは異なる(城ヶ島は海藻の香りがする)ことを実感したりと、五感を使って観察を進めました。
 その後、巨大な断層や、事前学習で学んだクロスラミナ、フレーム構造など、特別な堆積構造などにも直接触れて観察し、堆積構造の大きさや地層の広がりなどを実感しました。

感光器を用いて空と海の境界線(水平線)の位置を確かめている様子 海食洞である馬の背洞門 巨大な断層の断層面を白杖を用いてたどっている様子
感光器を用いて空と海の
境界線(水平線)の位置を
確かめている様子
海食洞である馬の背洞門 巨大な断層の断層面を白杖を用いて
たどっている様子
横倒しになった地層中で、ぐにゃりと曲がった地層を触察する様子 ウレタンマットの模型を用いて地層の様子を理解する様子
横倒しになった地層中で、
ぐにゃりと曲がった地層を
触察する様子
ウレタンマットの模型を用いて
地層の様子を理解する様子

(2024年4月3日)

中学部1年 社会見学

 3月18日、日本科学未来館(江東区青海)への社会見学を行いました。
 生徒は、「AIスーツケース」による誘導での館内歩行体験や、国際宇宙ステーションのレプリカを触って全体像を把握した後、実際の展示の中に入って、その中にあるトイレや個室の構造や装備を見学しました。国際宇宙ステーションにある手すりの使い方やマジックテープの用途などについて、生徒から質問し、解説を受ける場面もあり、宇宙での生活をイメージしながら有意義な見学ができました。
”国際宇宙ステーションのレプリカ" 宇宙ステーション内部
国際宇宙ステーションのレプリカ 宇宙ステーション内部

(2024年4月1日)