画像:筑波大学附属盲学校のロゴ

本校の将来計画について




はじめに

 現在、障害児・者教育の世界的な流れは、すべての障害者の発達・学習権の保障と教育的統合(インテグレーション)であり、21世紀はこの流れが一層確かなものとなるであろう。 それは、視覚障害者教育においても例外ではない。近年、児童生徒の障害の重度・重複化、多様化傾向の拡大、より軽度の障害のある児童生徒への対応や早期からの教育的対応に対するニーズの高まり、高等部への進学率の上昇、卒業後の進路の多様化、情報化などが進展している。

 このように特殊教育をめぐる状況が大きく変化する中で、文部省は「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究」として、平成12年度予算に1400万円を計上した。その調査研究課題の3番目には、「盲・聾・養護学校の今後の在り方」も含まれている。

 また、 文部省は、今度の新学習指導要領の中で各特殊学校が各地域のセンタ−としての新しい役割を担うことを求め、各学校も各都道府県における特殊教育のセンターとなる構想を押し進めようとしている。しかし、その中身というとまだ千差万別である。

 本校では、すでに1970年の第1次将来計画委員会、1985年の第2次将来計画委員会の発足以来、これまで様々な形で筑波大学附属盲学校としての存在意義並びにその将来計画について討議を重ねてきた。 必然的に視覚障害教育全体の大きな流れをも検討する中で、本校を視覚障害教育の実践面でのセンターとする構想と専攻科を高等教育機関に発展する案が生まれた。そして、それは、1996年7月に「筑波大学附属盲学校の将来計画」として教官会議で決定し、全日本盲学校教育研究大会や関東視覚障害教育研究大会等で発表してきた。ただし、これらはなお細部に課題を残し、また時代の変化の中で変更せざるをえないものもあり、新たに討議を始めたものもある。

 そこで、現段階では中間報告の形ではあるが、本校の将来構想に関するこれまでの研究と実践をありのままに世に問い、建設的な批判と助言を求めることとした。同時に、少しでも現在の流れに役立つことを期待した。

 終わりに、これからさらに本校の将来構想の検討を進めるにあたって押さえておくべき基本的事柄について、いくつかの私見を付け加えておきたい。

 第1は、どのようなセンターであろうと、センターは、実践的、実証的学校としての本校の母体の上に存在すべきであろう。 内容的には、とりわけ、自立活動や各教科、あはき等の高い専門性と技術の維持発展及び普及活動をその中心におくべきであろう。

 第2は、本校はあくまで筑波大学の附属学校であるとの位置づけと使命をきちんと押さえておく必要があるだろう。より具体的には、視覚障害教育の先導的、実験的研究実践の一層の推進と、心身障害学系との連携、協力であろう。

 第3は、国立特殊教育総合研究所との関わりである。すでにこれまでも訪問や交流を通してお互いの研究、実践の内容を理解しているが、分野の棲み分けを一層明確に意識すべきであろう。  第4に、各都道府県の盲学校がそれぞれセンター 化構想を進める中で、本校がセンターの中のセンターとして、さらには、アジアにおける視覚障害教育実践センターとして機能を果たすことを期待したい。

本校の将来計画に関わる資料


 以下に掲載する各資料は、本校の将来計画(構想)に関わるものである。それぞれの資料は、本校の校務分掌の一つである将来計画委員会が原案を作成し、本校の教官会議にて決議されてきた文章や将来計画委員会が各地の研究会等でレポートしてきたものである。



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