筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

台湾からマスクが届きました!

 台湾からサージカルマスク200万枚が日本へ寄贈され、本校にも900枚が届きました。台湾の皆様、橋渡しをされた日華議員懇談会の方々に、感謝申し上げます。
 子どもたちが登校した際に、その思いを伝え、配布を致します。

画像 台湾からマスク寄贈と感謝の言葉  画像 台湾でのコンサートの様子

 本校の歴史を紐解くと、台湾とのつながりを知ることができます。

 本校の源流である楽善会訓盲院設立を提唱(1875年)したのは、指紋の実用化に関する研究で著名なヘンリー・フォールズです。

 そして、同郷のグラスゴー出身であるウィリアム・キャンベルは、1891年に台南に盲学校を開きます。盲生に点字や手作りなどの技芸を教えたとされています。
 しかし、盲学校を閉鎖せざるを得なくなり、教え子の3名については、日本に来て学習を続けることになります。

 本校の前身である東京盲学校時代にまとめられた『東京盲学校六十年史』には、明治30年6月26日「東京音楽学校に於て臺灣臺南府より本校に入学すべき盲生の学資補助金募集の為、山勢松韻會主、小山作の助會幹となりて義捐音樂會を開催す、名誉賛成員として盡力せし人は伊澤修二、津田仙二人を主とし公爵岩倉具定、子爵山尾庸三、眞中忠直、矢島作郎、矢田部良吉、岸田吟香、前島密、大内青巒等なり、収入金四百八十圓内三百三十圓を東京盲唖学校、百五十圓を京都盲唖院に指定寄付す」とあります。
 台湾からの盲学生のために、本校関係者が中心となり学資補助金として寄附を募り、支援をしたことが示されています。
 その後は、台湾に戻り、台南慈惠院の盲人教育部で、技芸科及び普通科を設立し、日本で学んだことを生かします。

 現在に時を進めると、2010年代にも複数の台湾人留学生が本校に在籍していました。そのうちの一人は、本校で学んだ点字楽譜を台湾でも普及させようと、2018年に点字楽譜を紹介するコンサートを開催しています。本校音楽科教員と音楽科卒業生も台湾の高雄市と台南市を訪問し、彼を含めた台湾の音楽家とともにそのコンサートに出演協力しました。
 また、職業教育課程の鍼灸手技療法科に台湾からの留学生が昨年度から在籍して、勉学に励んでいます。

 今後も様々な協力関係を築き、国を超えて視覚障害のある子どもたちに豊かな教育を届けたいです。

2020/5/23