筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

Q11 ICTによる弱視補助具にはどのようなものがありますか?

 弱視児童生徒のICTを活用した事例としては、iPad、PC、スマホの活用など、様々なICT機器を視覚補助具として活用できます。ここでは、iPadを活用した事例についてご紹介します。

(1)カメラ機能の活用
 iPadに搭載されているカメラ機能を使って、倍率を上げたり(拡大)、下げたり(縮小)していきながら、自身の読みやすい大きさで文字や画像を見ることができます。
・教科書やプリントを事前に撮影しておき、データを拡大・縮小しながら読む
・黒板に書かれた文字をその場で撮影し、拡大・縮小しながら読む
・実技や作業など、動きのあるものを見るときには、ビデオやスローモードで(動画)で録画して、手元で拡大・縮小しながら見たり、スローモーションで動きを確認したり、動きを止めた静止画の状態で確認する
・撮影した画像や動画のコントラストを調整しながらデータを読む
(2)アクセシビリティ機能の活用
 「設定」画面から、「アクセシビリティ」機能を活用します。
・「ズーム」機能をオンにして、画面を常時見やすいサイズに拡大して表示する
・「画面表示とテキストサイズ」
 iPadの画面上に表示される文字を太くする、文字を大きくするなどの機能が活用できる
 iPadの画面上に表示全体のコントラストの調整、画面を白黒反転モードに切り替えられる
・「VoiceOver」機能
 VoiceOverをオンにすると、画面の読み上げができます。
・「ショートカット」機能にあるサイドボタンのトリプルクリックは、頻繁に使う機能をトリプルクリックすることで、ON/OFFができるようにしておくと便利です
(例)VoiceOverの音声による情報を必要な時にだけ使用する場合、トリプルクリックをVoiceOverに設定しておくと効果的です
(3)AirDrop機能の活用
 クラスメイトとのディスカッションなどの際に、友人が紙に書いたものを写真で撮って、AirDrop機能を使ってデータで共有できます(AirDropで共有する時のみ、設定を「連絡先のみ」か「すべての人」に変更して使用することをお勧めします)。
(4)メモ機能
 メモ機能も、入力時やデータを読む際に、拡大・縮小しながら読み書きができます。

 また、iPadに最初からインストールされている標準アプリ以外のアプリをApp Storeからインストールして、利用することもできます。無料版のもの、インストール時に課金される有料版がありますので、インストールの際には保護者、担任の先生や情報関係の先生などと相談しながら、インストールしていくことが望ましいです。

路線図の拡大表示 静止画拡大での確認

目次ページへ