ルーペは手元の文字やものを拡大して見ることができ、形や倍率など様々なものがあります。ルーペは見る対象物と焦点距離が決まっており、これを保つことによってはっきりとした像を得ることができます。
弱視の学習活動で使われることが多いのは、卓上型と手持ち型のタイプです。卓上型はスタンドやスカートがついていて、卓上に置くことで対象物との適切な焦点距離と取って、拡大されたクリアな像を見ることができます。ゆえに、卓上型は基本的には机上で本やプリント類などの紙面を見るということを想定しています。基本的には手に持って使うのではなく、紙面に置いたルーペを動かして使います。
手持ち型は、自分で対象物との焦点距離を合わせます。ルーペに目を近づけた状態で対象物との距離を合わせると、そのルーペでの最大の視野を得ることができます。目と対象物の位置を固定したまま、ルーペを動かして焦点を合わせてしまいがちですが、目とルーペが離れると歪みが大きくなり、また視野も狭くなります。手持ち型ルーペは、自分で焦点距離を保って対象物を見る必要がありますが、卓上型と違って手に持って使えるため、紙面だけではなく野外での植物観察や食品のパッケージなども見ることができます。
ルーペは拡大読書器に比べると安価であり、携帯性に優れていることから、いつでもすぐに使えるということが最大のメリットです。しかし、ルーペで得られる視界は狭いため、目とレンズを合わせて動かしながら、継時的につなぎ合わせて全体像を把握していく技術が必要です。
ルーペは倍率が高くなるほど、焦点距離を合わせるのが難しく、視界が暗くなります。また歪みも大きくなるため、目の疲れも出やすくなります。そのため、大きく見える高い倍率の方を選んでしまうと、見づらい、疲れやすいということで結局使わなくなるということがよくあります。暗さを解消するライト付きルーペも数多くあるので、試してみるとよいでしょう。ルーペはどの場面で使うかを考慮して、種類や倍率を適切に選ぶことが大切です。使いやすさや使う場面に合わせて、いくつかのルーペを持っておくとよいでしょう。
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ライト付き手持ちルーペ | 手持ちルーペの焦点距離を合わせる 道具(モベース)を使うと操作が簡単 |
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スタンプルーペ | スタンド付きルーペ |