筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

教育目標

  中学部では、中学校に準じた普通教育を行います。小学部で学習した基礎的な内容を教科教育の中でさらに発展させ、主体的に学習に取り組めるように教育活動を展開しています。
 「自分で考える」ことを基本に、生徒の自主性を尊重し、集団生活の中で社会性を育みながら、障害に基づく困難を克服し、社会の中で自立した「生きる力」を高めていけることをめざしています。

教育課程

1.学習

 通常の中学校と同じ教育内容のもとに教科学習をしていますが、学習方法には特別な工夫があります。例えば理科では、光の強さを音に換える感光器を使って実験をしています。その他、体育や技術・家庭など実技教科では様々な工夫がなされています。また、障害の特性に合わせて学習を進め、生活範囲を広げるために、通常の中学校にはない自立活動という授業もあります。
 学習場面では、点字使用生徒と墨字使用生徒のグループに分かれ、障害に応じた配慮のもとにきめ細かい指導を行っています。点字使用クラスでは、実際に触って形や材質、大きさなどを確認する観察や体験の時間を十分に確保して授業を進めています。墨字使用クラスでは、観察や体験を重視しつつ、拡大教科書、拡大読書器、書見台等を活用して、一人一人の見やすさに配慮した指導を行っています。

2.生徒会・クラブ活動

 生徒会には、執行委員会、図書委員会、文化委員会、購買委員会があります。執行委員会の役員は、生徒による選挙で選出されています。
執行委員会生徒会の運営を中心に、他校との交流会の企画なども行います。
図書委員会朗読会の企画や、広報の発行、よりよい読書環境づくりのための情報発信をしています。
文化委員会新入生歓迎会、レクリエーション行事、送別会の企画を行います。
購買委員会週2回、昼食後の時間を利用して、点字用紙やノートなどの文房具類の販売を行います。

 部活動には運動系と文化系があり、生徒の希望により発足し活動しています。近年では、フロアバレーボール、卓球、陸上競技、囲碁研究、オセロ、鉄道研究、合唱・合奏、数学研究の各部活動があり、活動はそれぞれ週1回です。運動系部活動は、夏から秋にかけて関東地区の大会に出場します。文化系部活動は、活動の成果を秋の文化祭で発表したり、コンクールへの参加や他校と交流対戦を行うなどしています。

写真 囲碁研究部写真 陸上競技部
囲碁研究部陸上競技部

3.年間行事等

 4月  新入生歓迎遠足・歓迎会  
 5月  中3修学旅行
 6月  1学期期末試験
 7月  授業参観  夏季学校
 8月  部活動夏季強化練習
 9月  夏休み作品発表会  2学期中間試験
10月  文化祭
11月  附属学校との交流会  2学期期末試験
12月  授業参観  中1理科校外学習  朗読会  レクリエーション行事
 2月  学年末試験
 3月  卒業生送別会  社会見学

主な行事

  • 夏季学校
      中学部全体で夏休み前に行う宿泊行事です。1年生から3年生まで学年の枠を越えた班で活動します。
     「総合的な学習」として班活動、係活動の中で話し合いを重ね、自らの役割を果たし、主体的に参加しながら思い出に残る夏季学校を作り上げています。
     炊事、キャンプファイヤー、レクリエーションなどの活動や、自然と触れ合う体験を通して、仲間と協力する大切さ、自然の尊さを学びます。
    写真 夏季学校写真 夏季学校
    ハイキング川原の観察

  • 文化祭(雑司ヶ谷祭)
     2日間にわたって行われる文化祭では、生徒の自主性を大切にしながら、中学部以上の生徒達が協力して実施してきました。ここ数年は、学校全体での文化祭は開催できず、学部単位で実施しています。中学部では、文化祭実行委員を中心に文化祭テーマやクラスカラーのオリジナルTシャツの作成、レクリエーション等を企画し、学年ごとに工夫を凝らしてクラス劇の創作・発表に取り組んでいます。
    写真 文化祭実行委員による進行写真 クラス劇の発表
    文化祭実行委員による進行クラス劇の発表

  • 交流会
     お互いの理解を目的に、筑波大学附属中学校と定期的に交流を行い、生徒自身が交歓会の企画を行っています。両校の生徒会を中心に話し合いを持ち、卓球やフロアバレーボールなどのスポーツやオリエンテーリング、フリートークなどを実施してきました。昨年度は筑波大学附属駒場中学校も交えて、附属3校での交歓会をオンラインで実施しました。
    写真 交流会
    交流会

  • 職業教育
      「総合的な学習の時間」を活用して、職業教育に取り組み、職場体験などから職業や進路にかかわる啓発的な経験を得られるように取り組んでいます。具体的には、1年では身近な人に職業についてインタビューを行い、仕事への関心、職種に関する知識などを広げられるようにしています。2年では、卒業生を招き、具体的な仕事内容、進路決定のときのこと、今から取り組んでおくと良いことなどを助言してもらい、考える機会にしています。3年では、職場体験活動を行い、一般企業や視覚障害関連の施設などを訪問して、仕事のやりがいや勤労の尊さなどを身をもって体験し、普段の学習活動にそれらを反映できるように努めています。

卒業後の進路

 生徒が全国各地から集まっているため、中学部の半数以上は寄宿舎生活を送っています。
 本校または公立の視覚特別支援学校高等部へ進学する生徒が大半を占めていますが、それ以外の学校に進む生徒も若干います。本校には中学部から高等部普通科及び音楽科への推薦入学の制度があり、一定の基準を満たした生徒はこの制度を利用して進学することができます。

2022/06/02