このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
校長室から
新たな門出 ― 魂のこもった卒業演奏とともに ―
先日、本校の卒業式を挙行しました。午前中に小学部・中学部・高等部・専攻科、午後に幼稚部の式を行い、あわせて四十二名の幼児児童生徒一人一人に卒業証書、修了証書を手渡すことができました。
五歳児の幼児から、学齢期の児童生徒、そして専攻科で学びを重ねた四十代の生徒まで。本校ならではの幅広い学びの姿があります。証書を受け取る一人一人の姿には、それぞれが歩んできた時間の重みとともに、これから始まる新たな道へ向かう静かな決意が感じられました。
私も初めてのことで、式の後に、音楽科の生徒が卒業演奏(ピアノソロ)を披露しました。静かに始まった旋律は、やがて力強く、激しさを帯びながら体育館いっぱいに広がっていきました。その演奏は、まさに魂のこもった音の響きでした。ピアノへの深い想い、これまで支えてくださった保護者や先生方への感謝、そして自らの進路を切り拓いていこうとする決意が、音となって伝わってくるようでした。
視覚に頼らず、音や言葉、触れる経験を通して世界を広げていく児童生徒たちにとって、音の響きはときに言葉以上に多くのことを伝えてくれます。
ご臨席いただいた副学長からも、「心に深く残る演奏でした」との感想をいただきました。厳かな式の余韻の中で、その音色は会場にいる一人一人の胸に静かに届いていたように思います。
本校を巣立っていく皆さんが、それぞれの場所で自分らしく歩みを進めていくことを願っています。そして、本校での学びや経験が、これからの人生を支える確かな力となることを心から祈っています。
卒業式の最後に響いたそのピアノの音は、新しい人生の扉を開く、力強い響きのようにも感じられました。
令和8年3月25日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司

