筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


1月の校長室から


 冒頭、元旦に発生した令和6年能登半島地震により、尊い命を落とされた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。あわせて、被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

 「1月の校長室から」をお読みくださり、ありがとうございます。
 昨年は本校教育活動に対し、温かいご支援とご理解を賜り、ありがとうございました。本年も職員一同、幼児児童生徒が「本校で学んで良かった」と学びがいを実感できるような教育に努めてまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、新型コロナウイルスが感染症法上、第5類に移行してから最初の年末年始でしたが、いかが過ごされたでしょうか。この時期だからこその時間を過ごすことができたのであれば幸いです。私は、第100回箱根駅伝と第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の観戦に行きました。ラグビーの贔屓チームは筑波大学と帝京大学。筑波大学は残念ながら準々決勝で明治大学に負けてしまいましたが、帝京大学は決勝戦まで勝ち進んでいます。果敢にタックルし、ボールを回し、前へ前と進もうとする学生たちの雄姿に興奮しながら、「行け、行け、行け~!」と声の限りに応援しました。トライが成功したときの歓声は凄まじいものです。歓声を聴覚だけでなく、体全体で感じるといったところでしょうか。帰り道、1万人を超える人の声が結集したときの迫力を、本校の子どもたちに感じさせたいと思いました。テレビやラジオでは味わうことはできないでしょう。スタジアムでこそ感じ取れるものです。「本物」にかなうものはないわけです。
 しかし、学校教育においては、特に視覚障害のある子どもたちに対しては、教室の中だけで常に「本物」を提供することはできません。そこで学校内外で様々な体験活動が学校行事に組み込まれます。さらに視覚障害教育では指導内容の精選、指導方法の工夫、核になる体験、触察教材、ICTの効果的活用を通じて、本物に劣らない教育の実践に努めています。しかし、不十分なこともあるでしょう。そこで大切にしたいのが、家庭や地域との連携です。この連携は、現行の学習指導要領のキーワードの一つである「社会に開かれた教育課程」につながっていきます。学校教育を学校で完結するのではなく、その目指すところを家庭や地域と共有・連携、そして具体的に取り組めたら。ラグビーでは “One for all, All for one.” と言いますが、このoneをchildに置き換えられたら。そんなことを考えた新年でした。
 令和6(2024)年が皆さまにとって、健やかで飛躍の素晴らしい未来に繋がる年となりますようお祈りして本年最初の「校長室から」とさせていただきます。


令和6年1月5日
筑波大学附属視覚特別支援学校
校長 青木 隆一

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2024/1/5