教育活動等の紹介
不定期ではありますが、このページでは、日々の教育活動を中心に、本校主催の研修会報告、卒業生の活躍などを紹介していく予定です。
中学部 作品発表会
中学部では、毎年夏休みに、それぞれの生徒が自分の興味、関心、得意分野を生かして、手芸・美術・文芸などの作品制作や様々な研究レポート等に取り組んでいます。
夏休み明けにはお互いに作品を鑑賞し、それぞれの成果を中学部全員の前で発表しました。
ペン立て、小物入れ、バッグ、メダル立て。
カルタ、双六。
絵画、習字、オルゴール。
竪穴式住居、矢尻、触ってわかるプラネタリウム。
旅行記、短歌集、レシピ集。
社会科、理科、身の回りのことなどから自分でテーマを決めて調べたり実験をしたりしたレポート。
力作、秀作揃いの素晴らしい発表会になりました。
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絵画 | ペン立て | 触ってわかるプラネタリウム |
(2023年9月20日)
星の道しるべ 〜宇宙にかける音楽科の魂
音楽科では、しばしば、教員、生徒全員で校外演奏に出かけます。
9月9日は、鎮魂と希望の世界音楽祭(第11回首都防災ウィーク 於:東京都慰霊堂)にて、15分のステージをいただき、《星の道しるべ》(高等部音楽科作曲専攻卒業生 橋本陸作曲)を合唱しました。
会場では多くの音楽科卒業生の活躍を参観し、ご挨拶をすることができました。
音楽科の絆を感じ、脈々と繋がっている音楽科魂を実感しました。
音楽の道は果てしなく厳しい。夜空を見上げ広がる宇宙の空気を吸い上げ、《よし!》と、また思い直して、それぞれの音楽の道を歩いていくんです。
この曲は作曲専攻の授業の中で産み出されてから、機会あるごとに在籍生徒により歌い継がれている音楽科にとって大事な作品です。
これまで卒業、新歓のイベント、定期演奏会はじめ、外のイベントでも歌ってきました。
他校から歌いたいと申し出をいただいたこともあります。
皆様、本校ホームページのトップページの動画《星の道しるべ》を今一度、ご覧ください!
本日の演奏を添付します。
星の道しるべ 作詞作曲 橋本陸
演奏 音楽科生徒一同
ピアノ 永山香織(音楽科教諭)
是非お聴きください。
https://youtu.be/dyN1qa1nBvw?si=TfmUDi-yObhVD0FX
(2023年9月13日)
バーミンガム2023IBSAワールドゲームズでの活躍
4年に一度開催される視覚障害者スポーツの世界大会が、8月下旬にIBSAワールドゲームズとして、イギリスのバーミンガムにて行われました。
本校からは、江村圭巳教諭がテンピンボウリングの日本代表として出場しました。ブラインドサッカーは、女子カテゴリーとして初の国際大会となりましたが、体育科の山本教諭が監督として、また、中学部3年島谷花菜さんが選手として出場しました。
江村教諭は、クラス別(B1女子)において、見事、銀メダルを獲得しました。アジア大会では残念ながら韓国の選手に敗れましたが、今回はその雪辱を果たして堂々たる世界2位となりました。おめでとうございます!
山本教諭が監督として率いるブラインドサッカー女子は、イングランド、スウェーデン、モロッコを破って予選を勝ち抜き、準決勝ではPK戦の末、インドに競り勝ち、決勝戦でアルゼンチンと対戦しました。善戦むなしく、惜しくも銀メダルとなりましたが、初の世界大会で2位という快挙を果たしました。島谷選手は、公式戦初出場ながら、イングランド戦で1得点を挙げて、最年少得点記録を更新し、モロッコ戦でも2得点を決めました。また、卒業生の若杉さんも出場し、イングランド戦で得点を決めました。おめでとうございます!
その他に、ブランドサッカー男子、ゴールボール男子、ゴールボール女子において、本校卒業生が大会に出場し、活躍しました。特に、ゴールボール男子は、優勝を見事果たして、パリパラリンピック出場権を獲得しました。おめでとうございます!
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テンピンボウリング 銀メダル | ブラインドサッカー女子 銀メダル |
(2023年9月7日)
高等部 文化祭
7月17日、4年ぶりに保護者の方にも直接ご覧いただける形で高等部文化祭が開催されました。昨年度までのコロナ禍では、朗読劇発表が中心でしたが、今年は発表形式も自由となりました。
開会式の後の最初のプログラムは、今年始めて実施された文化祭実行委員会の企画によるゲーム大会。全学年縦割りの6班に分かれて実行委員が考えてきた問題に挑戦です。先生方の秘密に関する問題、イントロを聞いての曲当てクイズ、レシピから料理名を当てる問題と大いに盛り上がりました。
雰囲気も盛り上がってきたところでメインの学年発表です。高2は傷害事件から刑事裁判までを取り上げたシリアスな正答派劇、高3は自分たちの3年間の名場面を題材に会場中を笑いに巻き込んだ喜劇、高1は青春ドラマを彷彿させる学園劇とエンディングの全員合唱という内容でそれぞれの学年の個性がにじみ出た舞台発表でした。
午後は5つの有志団体の発表がありました。音楽科生によるリコーダー演奏から始まり、高3生徒二人による音楽演奏、ボイス研究部の劇、高2有志生徒によるコント劇、最後は高3生徒2人による音楽演奏という盛りだくさんの内容でした。
そして閉会式で午前中の文実企画の成績発表という流れでしたが、なんと1位が同点ということが分かりました。既に景品も買ってあったため、1位を決めなければなりません。そこで急遽文実企画第2弾ということで、クイズを行いました。司会者の祖父の年齢を当てるという無茶な問題でしたが、無事に順位も決まり、成績発表、表彰式という運びになりました。
終了後の生徒たちの「やり切った!」という爽やかな笑顔が印象的でした。高3のある生徒は、「3年間の中で一番思い出に残った行事になりました。」と話していました。
また、367教室では、高1の自己紹介の音声と高2の昨年度の総合的な探求での成果物の展示もありました。
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文化祭実行委員会の企画 ゲーム大会 | 高等部1年 舞台発表 |
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音楽科 リコーダー演奏 | ボイス研究部 劇 |
(2023年8月29日)
幼稚部 みんなの夏祭り
7月22日(土)に幼稚部みんなの夏祭りを実施しました。
始まりの会では「イロハ音頭」を家族みんなで踊り、お祭り気分を盛り上げました。その後、かき氷屋、ボウリング屋、オリジナルうちわを作るうちわ屋、様々な感触や音、香りなどに親しめるお楽しみ屋の屋台が開かれ、子どもたちは家族と一緒に自由に回りました。かき氷の冷たさに驚く子、ボウリングのピンを勢いよく倒して大喜びの子、うちわにキラキラシールをたくさん貼って満足そうな子、満面の笑みでウォーターベッドに寝転がる子。それぞれお気に入りの屋台も見つかった様子です。
後半は、附属大塚特別支援学校さんからお借りした巨大パラバルーンにみんなで入り、風を感じました。カラフルなバルーンと大きな風に大興奮の子どもたちでした。
夏祭りには28名の方にご参加いただきました。登校曜日が異なるため、日頃は会う機会が少ないお友達とも一緒に楽しむことができました。
みんなで盆踊り | お楽しみ屋さん |
お祭りパラバルーン! |
(2023年8月25日)
小学部 高学年夏季移動教室
7月11日から12日にかけて、3年生から6年生は夏季教室に行ってきました。2年ぶりの夏季教室に期待を胸いっぱいに広げて準備をしてきました。
行きのバスの車内で友だちと楽しく話をしていると、あっという間に筑波大学筑波キャンパスに到着です。筑波キャンパスでは、3・4年生と5・6年生に分かれ、筑波大学の先生や学生にご協力をいただき、運動体験と制作体験を行いました。
運動体験では、ラートやトランポリン、肋木、大きなGボールなど様々な運動に取り組みました。5・6年生は今年の1月に続き、2回目のラートとなり、新しい技に挑戦する児童もいました。3・4年生は初めてのラートで、やる前はドキドキしている様子でしたが、やってみると楽しそうな表情で側転ができました。またトランポリンでは高く跳んだり、お尻や背中で弾んだりと笑顔で身体を動かしていました。
制作体験では、石をやすりで削り、オリジナルの作品作りを行いました。やすりは、5種類の粗さの違うものを使用し、一番粗いやすりで形を変え、徐々にきめ細やかなやすりで削っていくことで、透明感のあるつるつるの石に仕上げていきました。できた石は、そのまま作品にする子もいれば、穴を開けてひもを通し、ネックレスにする子もいました。時間をかけて丁寧に取り組んだこともあり、自分の作品に愛着がわき、大切に持ち帰りました。
筑波キャンパスからさしま少年自然の家に移動後、夕食を済ませていざキャンプファイヤーという時に雷雨に見舞われてしまい、急遽、キャンドルサービスに変更となりました。キャンドルサービスの時には、火の神「ミスター・ファイヤー」が登場し、大盛り上がりでした。火の神や先生に一人ずつロウソクに火をつけてもらって会場の中央に集め、『燃えろよ、燃えろ』を歌いました。その後は、各班が準備していたゲームをみんなで楽しみました。
2日目の昼食はみんなでカレーライスを作りました。各班で野菜を切る係や、お米を研ぐ係など役割を分担し、協力して作りました。それぞれの班のカレーが完成し、「暑かったけど無事にできてよかった。」、「みんなで作ったから美味しい。」などと話をしながら美味しくいただきました。自分が使った食器は自分で片付け、また上級生はみんなで使った道具を率先して片付ける姿も見られました。
2年ぶりの夏季教室、とても暑い中での実施でしたが、友だちと話したり、協力したり、笑い合ったり、また自分の身の回りのことは自分で取り組んだりと、たくさんの思い出が残る2日間となりました。
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制作体験 | 運動体験(ラート) |
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キャンドルサービス | カレー作り |
(2023年8月25日)
小学部高学年 春の校外学習
5月12日に5,6年生が、19日に3,4年生が埼玉にある国営武蔵丘陵森林公園へ春の校外学習に行きました。12日は天候に恵まれ、1時間ほど山道を歩きながら、環境担当の方からの説明を聴きました。ハルゼミの鳴き声を聴いながら自然に親しみました。19日は残念ながら小雨も降る時間帯もありましたが、カエルの鳴き声が聞こえたり、木の傘の下でお弁当を食べたりと、天候に負けず楽しむことができました。
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3・4年 | 5・6年 |
(2023年8月25日)
中学部 夏季学校
中学部では、「35人全員で笑い合い、手を取り合って助け愛、最大の行事夏季学校を最高の思い出にしよう!」の全体目標のもと、7月18日(火)~20日(木)の2泊3日で山梨県甲州市にある甲斐の国大和自然学校にて夏季学校を実施しました。(今年度はコロナ禍以前の2泊3日、場所も山梨県に戻しての実施となりました。)
1日目。学校で開校式を行った後、1台の大型バスに乗り込み、全員で宿泊・活動先である山梨県甲州市の大和自然学校へ移動。施設到着後は館内オリエンテーリングやレク係、キャンプファイヤー係、野外炊事係の3つに分かれて係活動がスタート。夜は体験館にてレクリエーション。ボウリングや腕相撲大会などをしながら、白熱した夏季学校初日の夜を楽しみました。
2日目はプチシャワークライミング(沢遊び)。まずは、沢の中をじっくりゆっくり歩き、時には川の水をかけ合いながら沢遊びを楽しみます。慣れてきた頃には急流の中を歩き、大自然を満喫。「初めて川の中を歩いた」「ビシャビシャになったけど楽しかった」などと大満足の様子でした。夕方はキャンプファイヤー。キャンプファイヤー係による点火劇や各班で練習した出し物の披露、最後に今年の夏季学校テーマソングを歌うなど、火を囲みながらの暑い2日目の夜も大いに楽しみました。
3日目最終日は、カレーライス作りを各班で実施。火を起こす係、野菜や肉を切る係、盛り付け係など、各班で生徒たちそれぞれが助け合い(愛)ながら、どの班も力を合わせて作ったカレーライスは大成功。「みんなで作ったカレーは美味しい!」と笑い合いながら、山盛りカレーライスをほぼ全員が平らげていました。
ポストコロナでの夏季学校。「2泊も大部屋にみんなで泊まったことなんてない」「キャンプファイヤーは今回が初めて」という生徒もいました。幸運にも天気に恵まれ、暑すぎることもなく、雨も降ることなく無事に終了し、夏季学校を最高の思い出にできました。
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白熱の室内レクリエーション | 大自然を満喫!プチシャワークライミング |
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キャンプファイヤーで皆の心を一つに | 野外炊事で最高のカレーライス作り |
(2023年8月9日)
小学部 修学旅行
6年生は6/7(水)~/9(金)まで盛岡・仙台方面へ2泊3日修学旅行に行ってきました。
1日目は東京駅から盛岡駅まで東北新幹線に乗って移動しました。1日目の午後は「桜井記念視覚障がい者のための手でみる博物館」に見学に行きました。うさぎ、ライオン、白鳥、サメなど様々な生き物のはく製や骨格標本を観察したり、刀や火縄銃を実際に触ってみたり、珍しい楽器を触って鳴らしてみたりしました。その後、仙台まで移動し、宿舎についてからは押し入れ探検、枕投げ、怪談話で盛り上がりました。
2日目午前は鐘崎の笹かま館に見学に行きました。七夕ミュージアムで七夕飾りを見たり触ったりして観察した後、笹かまぼこ手作り体験、七夕飾り作り体験をしました。体験後の試食では、「自分で作った笹かまぼこはやっぱりおいしい!」と好評でした。
2日目午後はせんだい3.11メモリアル交流館で立体地図を触った後、震災遺構仙台市立荒浜小学校に見学に行きました。実際に被災された解説員さんに当時を振り返りながら案内をしていただき、津波の潮でさびたロッカーやゆがんだ床、内側に倒れたベランダ、ヘリコプターで救助を待った屋上などを見学しました。見学後は、東日本大震災で津波が来た海岸まで行き、防波堤で休憩をしたり、海に近づいたり、貝をひろったりしました。
3日目は東北歴史博物館に行きました。まず、子ども歴史館では縄文土器の模様を粘土に付ける、黒曜石で布を割く、江戸時代の旅人の格好に着替える、小鼓や大鼓の演奏などの体験をしました。次に、古民家の見学をし、学芸員さんに解説をしてもらいながら、門、囲炉裏、土間、柱、縁側などの見学をじっくりしました。囲炉裏で火をつける体験もしました。
昼食後は仙台駅でお土産を購入しました。財布と相談しながら自分や家族へのお土産を購入することができました。帰りの東北新幹線では各自おやつを食べたり、会話を楽しんだりしながら過ごしました。
小学部では久々に2泊3日の修学旅行が実施でき、6年生3名全員が元気に過ごし、友情を深め、そして多くの思い出を作ることができました。
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手で見る博物館 集合写真 | 手で見る博物館 うさぎのはく製観察中 |
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手で見る博物館 刀と銃の観察 | 笹かまぼこ手作り体験 |
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震災遺構 仙台市立荒浜小学校見学 | 東北歴史博物館 古民家見学 |
(2023年7月31日)
小学部 新入生歓迎会
4月26日(水)に小学部新入生歓迎会がありました。体育館に小学部児童31名全員が集まり、1年生を囲んで自己紹介や各学年からの出し物を行いました。各学年の出し物では、1年生はクイズ、2年生はトーンチャイムの合奏、3年生はボール回し、4年生は学校紹介クイズ、5年生は聖徳太子ゲーム、6年生は1年生に関係するクイズで、どの出し物も盛り上がりました。最後には「チューリップ」の合唱を行い、楽しいひと時を過ごしました。1年生の皆さん、早く学校に慣れていけるといいですね。
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(2023年7月31日)
高等部3年 歌舞伎鑑賞教室
6月16日(金)、高等部3年生は歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。
今年10月末に閉館し、建て替えられる国立劇場。今回の鑑賞教室は「初代国立劇場さよなら公演」と銘打たれ、八岐大蛇を素戔嗚尊が退治したという伝説に取材した近松門左衛門の名作『日本振袖始』が上演されました。
生徒たちは劇場の最前列でイヤホンガイドも利用しながら鑑賞し、思い思いに歌舞伎を味わい、楽しむことができたようです。その感想を一部抜粋し、ご紹介します。
素戔嗚尊が刀を持ち、八岐大蛇と対峙している様子はとても勇ましく、だけれど美しいものがあった。最後の本性を表した八岐大蛇と素戔嗚尊の戦いでは宙返りなどのアクロバットな動きやぶつかるのではないかと思えるくらいの激しい動きに魅了された。何よりかっこよかったのが、ツケにあったみえだった。やはりツケがなくては迫力なども半減するのだなと本番を見て再認識した。
今よりも娯楽が限られていた江戸時代で、みんながこのような話を見て心を動かされ、日々を頑張って生きていこうと感じていたのかなと想像すると、この歌舞伎というものが日本文化の中でも特に大事なものだと感じた。どうしても動きで伝えるところがあり、それがわからないと内容を細部まで読み取るのは難しいが、昔の人がずっと心の拠り所にしていて、現代に至るまで絶やさずに伝えられてきた文化に触れられてよかったと思った。
女方も歌舞伎の特徴であるとよく言われるので注目してみてみたが、本当に、仕草、立ち居振る舞いが非常に滑らかで、女性らしく動いているのが良く分かった。しかも、こういった男性が女性を演じる役回りができた経緯を考えると非常に興味深かった。もとは女性や少年の出場が幕府により禁じられたから生まれたのであるが、それが結果として歌舞伎を特異な芸術たらしめたと考えるとなんとも面白いと思った。かわいい子には旅をさせよと言う。これは大事な子供ほど苦労をさせて一人前に育てるべきだという意味だったと思うが、もしかすると文化にも同じことが言えるのかもしれない。文化は自由な空気の中でのびのびと発達していきそうだが、意外にも、制限されることによって、なんとか芸能の形式を保持しようと努力がなされ、それが素晴らしい芸能を生み出すことに繋がるのかもしれないと思った。このようなことを考えると、一つの芸能をとってみても、その特徴の説明の裏には様々な物語、歴史的背景があると分かる。これらは非常に興味をそそられるものだし、悠久の時を経て受け継がれてきた先人の遺産である。祖先が積み上げて来た貴重な財産を守り、そこに新たな要素を加えて次代に託す、これが我々に求められている事だと思った。
私が人生で初めて歌舞伎を見て持った感想は、「古い」という言葉で物の価値は測れない、という事です。日本には、たくさんの種類の文化・芸術がありますが、現代ではその存在感は弱まっていると思います。昔から続いているものは古典と呼ばれ何か古い物であるという印象が強くつき、なんとなく、舶来の文化や芸術が、現代の、新しいものであるというような感覚が多くの人にあるのではないかと思います。しかし先日鑑賞した歌舞伎には、そんな「古いもの」という印象を持つ暇もないほど、観客を圧倒する魅力があったと思います。重い服を着ているのに余裕で飛び跳ねる大蛇の演者さん、良い声で物語を語り続ける語り手の人たち、様々な楽器の音。その全てが、いきいきとしていて、躍動感にあふれていたと思います。
実際の作品は想像以上に迫力があった。どんな動きをしていたのかは詳しくわからなかったが、動きが激しくなるにつれ、その情景を描写する音も激しくなっていることが分かり、音と動きがまじりあって、どちらが欠けることもなく一つの作品を作り上げていることに感動を覚えた。まさに、「歌舞伎」の文字通り、歌って舞う、そんな様子が伝わってきた。また、「みえ」など、歌舞伎独特の手法で、動いて演じている中に、瞬間を切り取り絵に描いたように見せるところがあるということを知り、それが興味深いことに思えた。なぜなら、絵と動きは個人的に共に存在するものではないのだろうという先入観があったからだ。絵では表現できないものがあるから、それを動いて表現するはずであり、あえて動きの中に静止を残すという発想が魅力に思えた。
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公演後、ロビーにある「鏡獅子」の前で。 |
(2023年7月11日)
中学部 ヴァイオリニストの方々との交流会
『12人のヴァイオリニストProduced by 高嶋ちさ子~お客様目線のコンサートの作り方~』
中学部では、6月29日(木)にヴァイオリニストの方々との交流会を行いました。来校されたのは、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと一緒にクラシックユニット「12人のヴァイオリニスト」のメンバーとして活躍されている甚目 和夏(はだめ わか)さん、 岡本 侑里子(おかもと ゆりこ)さんです。
ミニコンサートは「カノン」「浜辺の歌」から始まり、迫力に息をのんだ「チャルダーシュ」や「リベルタンゴ」まで、ヴァイオリンの音色にたっぷりと親しむことができました。また、高等部音楽科生徒との共演や楽器体験もさせていただき、芸術・芸能の世界でご活躍されている方々のコンサートで観客を楽しませるための工夫やトークを通して、生徒たちは楽しい時間を過ごしながら働くことや職業について教えていただく貴重な機会にもなりました。
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Vnデュオ演奏 | 中学生の楽器体験 |
(2023年6月30日)
幼稚部 校外保育
5月26日(金)、幼稚部校外保育を実施しました。幼稚部の校外保育は、親子で参加する遠足です。この日は、北区にある飛鳥山公園に行ってきました。前日までお天気が心配されていましたが、当日は公園で遊ぶにはちょうどよい気候でした。
回転遊具やうんてい等、幼稚部にはない遊具が公園にはたくさんありました。お家の方と一緒に新しい遊具に挑戦する姿も見られました。みんなの大好きなブランコや電車の展示もあり、楽しい時間を過ごすことができました。
今年度は、久しぶりにお弁当の時間も設け、お家の方が作ってくれたお弁当を嬉しそうに見せてくれたり、笑顔で食べる姿がとても素敵でした。
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みんなでお弁当 | 楽しかったね、終わりの会 |
(2023年6月29日)
日彫展・触れる鑑賞教室 小学部4・5・6年生
4月28日午後、小学部4・5・6年生の児童15名が、上野の東京都美術館で行われている第52回日彫展鑑賞教室に出かけました。
触れる鑑賞教室のために、日本彫刻会に所属する彫刻家の方々・美術館の鑑賞ボランティアさん・学生スタッフさんらが全国各地からお集まりくださり、参加児童数をはるかに上回る方々のサポートを受けながら作品に触れ、対話を通した彫刻鑑賞を進めました。
つるつるに磨き上げられた木の彫刻の触り心地や香りを好む児童、動物をモチーフにした作品に心を惹かれる児童、触察で素材の種類を感じ取る児童など、子どもたちはいきいきとした表情で1時間にわたる彫刻鑑賞を楽しみました。
今回の展示には、この春本校を卒業した児童7名の作品も並びました。?本彫刻会会員である筑波大学生と本校とのプロジェクトで生まれたテラコッタの作品。これらに興味をもって熱心に鑑賞する児童から、「美術館に作品が飾られるなんてすごいな!!来年はぼくの作品がここに展示されるように頑張るぞ。」というやる気に満ちた感想が聞かれました。
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観察している様子 |
(2023年6月28日)
中学部2年 GIGA基礎指導
視覚障害を有する生徒がICT機器を使えるようにするためには、単に機械を渡すだけではなく、支援機器の使い方を指導する時間を設ける必要があります。
中学部では、期末試験最終日の午後、2年生を対象に、特別時間割を組み、GIGAスクール構想に基づき一人一人に貸し出された端末の使い方を学ぶ特別授業を実施しました。
点字使用クラスでは、ブレイルメモを実際に手を動かして操作をしながら学習しました。今回は、点字文書の編集作業の一つである、文字列のコピーと貼り付けの方法を、キーの場所を確認するところから押し方まで、ゆっくり一つ一つ時間をかけて学習しました。
墨字使用クラスでは、一人一人が自分の見やすい表示になるよう設定を調整したiPadを使って、ファイル共有の練習をしました。クラウド上の1つのファイルを全員で編集し、47都道府県の名前を力を合わせて入力しました。
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BMSでの編集操作 | iPadでの入力練習 |
(2023年6月20日)
高1 遠足
5月12日(金)全国から集まった16名のクラスメイトとの親睦を深めるために遠足を行いました。行き先は、新宿御苑、民音音楽博物館、そして国立競技場です。
新宿御苑では、開放感と新緑を味わいながら園内を気持ちよく歩きました。
民音音楽博物館では、オルゴールの円盤に触れ、チェンバロや古典ピアノはそれぞれの音色を比較しながら、鑑賞させていただくことができました。
また、さまざまな民族楽器を触りながら体験し、お話しを伺うことができ、とても深い学びの機会となりました。このような機会を与えてくださいました、民音音楽博物館様に心より感謝申し上げます。
最後の目的地国立競技場では、国立競技場の歴史や解説を聞いた後、みんなでワイワイとサンドイッチをおいしくいただきました。天候にも恵まれ、安全に行ってくることができました。
参加生徒の感想の一部
古典ピアノの中でも最も古くに作られたという弦をはじくようなピアノの音がとても好きでした。また、古典楽器の説明では思っていたよりも簡単に音を出せる楽器や、意識的ではなく自然の力で作られた楽器もあり、とても驚きました。実際に触ってみると、音を出すのがとても難しかったです。
オルゴールと自動演奏ピアノ、古典ピアノ、民族楽器。全てが初体験でした。オルゴールは円盤型のものを見るのは初めてで、また、自動で曲がかわるからくりが備わった者も初でした。あのオルゴール特有の音にとても癒されました。蓄音機や自動演奏ピアノは現代より優れた技術なのでは、と疑うようなことに驚きを隠せませんでした。
古典ピアノ鑑賞では特にペダルが5本のピアノが印象に残りました。ペダルを2,3個同時に踏みながら演奏するというのはかなり神経を使いそうですが、効果音感覚で鈴や太鼓の音を付けられるというのは斬新でとても画期的でした。
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民音音楽博物館での民族楽器の体験 | 国立競技場での集合写真 |
(2023年6月15日)
中学部部活動が本格始動!
部活動体験会、仮入部を経て、新一年生の部活動への入部が決まり、3学年そろっての活動がスタートしました!現在はフロアバレーボール部、陸上競技部、囲碁研究部、鉄道研究部の4つの部活動があります。学年を超えて交流したり、教え合ったり、施設見学や大会出場を目指すなど、授業とは違うメンバーと活動内容で、中学生活を充実したものにしてほしいと願っています。
フロアバレーボール部 | 陸上競技部 |
囲碁研究部 | 鉄道研究部 |
(2023年6月7日)
中学部新入生歓迎遠足
5月12日(金)、初夏の風を感じるさわやかな天候の中、3学年一緒に遠足に出かけました。千鳥ヶ淵公園から桜田門までの皇居周辺を歩き、最後は日比谷公園を散策しました。1年生は初めての遠出でした。
皇居周辺では桜田門の石垣を触って昔の築城技術の高さに思いをはせたり、日比谷公園では明治に作られた馬の水飲み場などを触ったりしました。
午前中だけの短い時間でしたが、少し焼けた顔は充実した時間を過ごした明るい表情をしていました。
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桜田門の石垣 高さは白杖何本分? | 日比谷公園の遊具 童心にかえりました |
(2023年5月15日)
中学部3年修学旅行(広島・宮島)
4月25日(火)から27日(木)まで、中学部3年生が修学旅行に出かけました。
本校中学部では、全国から生徒が集まることを前提に、予算の範囲内で学年での話し合いを重ねながら行き先を決めています。これまでの数年、コロナ禍で旅行先の制約がありましたが、今年度は目的地を広島市および宮島周辺として、遠方への修学旅行が実現しました。
初日の広島市内ではあいにくの天候でしたが、原爆ドームを見学し、広島平和記念資料館ではさわってわかる遺物の触察と被爆者の講話を伺い、戦争の悲惨さや平和について学ぶよい機会となりました。
宮島では、名物のもみじまんじゅう作りや杓子作りの体験、島内や歴史民俗資料館の見学を行いました。ご案内くださったガイドの方には見学地周辺の触ってわかる模型を手作りしていただくなど大変協力していただきました。また、ふだん海中にある厳島神社の大鳥居に、当日は干潮が重なって渡ることができ、その大きさや迫力を体感することができました。
最終日は、お好み焼き作りに挑戦しました。プロの方の丁寧な指導の下、一人一人希望のお好み焼き作りと試食を体験でき、お腹も心も大満足の修学旅行となりました。
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被ばく瓦の観察 | 被ばくした器の観察 |
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宮島での集合写真 | 歩いて渡れた厳島神社の大鳥居にて |
(2023年5月15日)
高等部3年彫刻鑑賞
4月21日(金)第52回日彫展のタッチツアーに行ってきました。
(1)彫刻を触ること、作家の解説を聴くことを通じて、美術作品の鑑賞法を学ぶ。
(2)様々な素材を活かし、異なるテーマで作られた彫刻を鑑賞し、彫刻を楽しむ。
(3)彫刻鑑賞と視覚障害について考える。
3つの目的をみっちりと果たすことができました。日彫会の皆様、貴重な機会をありがとうございました。
生徒の感想から抜粋
印象に残った作品とその理由について
「Towards」
身近な存在である木を丸ごと1本使用した作品であるところに斬新さが感じられ印象に残った。木はシンプルな円柱形が多いが、そこから手触りのつるつるとした女性像を掘り出したり背景はチェンソーでくりぬいたままになっていたりすることから、木もただ形だけでシンプルなのではなく人間のように複雑であることが表現されているように感じた。また作品名がtowardsということ・背景の木が2メートル近く伸びていることから、この作品は木が上へ上へと向かっていくように女性の社会などへの参加も進んでいくべきだという想いが込められているのだと思った。
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「獄卒」
両手で抱えられないほどの大きさと前から見たときの迫力感がとても印象に残った。体や手に持っている刀はすごく太く強そうに感じられるが、後ろからみると背骨も表現されており、強そうな鬼でも後ろからみるとなにか弱弱しい点もあり、表では強がっているが裏では本当は弱い鬼の眼にも涙を表現しているように感じた。
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(2023年5月8日)
小学部スポーツ体験
1月31日(火)に4・5・6年生は、筑波キャンパスでスポーツ体験授業を行いました。
行きのバス車内では、筑波大学の広さや体育施設の数等に関するクイズを行いました。筑波キャンパスの広さや、施設の数に驚いていました。
午前は体育館でラートを体験しました。本物のラートに触れて形を確かめた後、1人ずつラートの中に入り、側転のような形で左右に回りました。最初は不安そうな様子もありましたが、何度か体験する中で、左右の体重移動が上達してキレイに回る児童もいました。また、「楽しい!もっとやりたい!」という声も聞こえてきました。最後の体操部の学生さんによるダイナミックな演技には歓声が上がりました。
午後は陸上競技場に場所を移し、持久走のタイム計測を行いました。1周400mの広い陸上競技場で、学生さんと一緒に気持ち良く走ることができました。
初めて経験するスポーツや、本格的な競技施設での運動を通して、スポーツへの興味が深まる1日となりました。
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ラート体験1 | ラート体験2 |
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ラート体験3 | 持久走 |
(2023年4月12日)
中学部2年 社会見学
3月16日(木)快晴。上野動物園とアメ横の散策に行ってきました。
上野動物園では、レプリカの子供像やキリンの骨格で、体や耳、足の大きさなどを確認し、
モルモットでは聴診器で動物のお医者様になった気分で、心臓の鼓動を確認しました。
とても速い鼓動で、びっくり!
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子ども像のレプリカ | キリンの骨格 | モルモットの心音を聞く |
(2023年4月4日)
中学部1年 社会見学
修了式前日の春らしい暖かな日に、社会見学を実施しました。場所は日本科学未来館で、見学地や学校からの経路、使用する交通機関もみんなの話し合いで決めました。
日本科学未来館では、5階の「世界を探る」をメインに、AIスーツケースを利用した未来型の歩行体験や国際宇宙ステーションの室内見学、様々な模型を触る等、限られた時間内でしたが充実した体験ができました。
昼食は、7階の展望レストランで、カツカレーやミートハンバーグスパゲティ、チーズハンバーグプレート等、各々が選んだ好きなものを食べて大満足!
午後はお台場海浜公園まで散策し、砂浜で寄せる波と戯れて遊び、ゆりかもめにも乗ることができて、楽しい一日を過ごすことができました。
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AIスーツケース体験 | きぼう内の観察 |
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ISS模型 | 砂浜に寄せる波 |
(2023年4月4日)
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