このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
校長室から
一つの贈り物から、全国へ ~点字がつないだ、思いと出会い~
先日、ロクシタンジャポン株式会社様より、本校に在校する幼児児童生徒及び学校を支える教職員にハンドクリームを御寄贈いただきました。
今回の本校における寄贈式には、ロクシタンジャポン株式会社の山本直樹社長様にも御来校いただき、本校の生徒に直接ハンドクリームを手渡していただきました。
そして、山本社長様からは、生徒に向けて、ロクシタンの発祥や、自然と人とを大切にする理念のもと、製品づくりのみならず、環境保全や社会貢献活動にも力を注いでいることについてお話がありました。特に、視覚障害のある方々にも安心して利用できるよう、製品パッケージに点字を表記するなどの実践を重ねてきたことについて、直接お聞きすることができました。
企業として大切にしている理念や、これまでの取組について、山本社長様ご自身から生徒に語っていただいたことは、今回の御寄贈を単に「物をいただく」という出来事にとどめず、その背景にある思いや願いを知る貴重な機会となりました。
そして、山本社長様のお話を伺いながら、私は本校との不思議なつながりを感じていました。
ロクシタンの物語は、フランス・プロヴァンスに始まりました。一方、本校の歩みをたどると、現在の点字につながる歴史にも、フランスとの深い関わりがあります。ロクシタンと本校、それぞれの歴史を語る上で、二つの共通点が浮かび上がります。
一つは、「フランスからの始まり」。そして、もう一つは「点字」です。
本校では、明治の時代に国語の教諭だった石川倉次先生が、日本語の点字を完成させました。その源流をたどれば、フランスで考案された点字に行き着きます。視覚障害のある人が、自ら文字を読み、書き、学ぶことができるようにする――その歩みは、現在の本校の教育にも脈々と受け継がれています。
時代も場所も異なりますが、「人を大切にすること」「誰もが学び、社会とつながること」、そして、そのために新しいものを生み出していくこと。今回のロクシタン様との出会いには、本校がこれまで大切にしてきたものとの重なりがあるように感じています。
本校は、視覚障害教育における中核的な役割として、視覚障害のある幼児児童生徒の学びを支えるとともに、視覚障害教育への理解を社会に広げていく役割も担っています。
今回、本校に届けていただいたハンドクリームは、本校だけにとどまりません。この取組を一つのきっかけとして、今後、全国の盲学校にもハンドクリームが届けられることとなっています。
一つの学校への御寄贈から始まったつながりが、全国の盲学校へ、そして、それぞれの地域へと広がっていくことになります。
ロクシタンジャポン株式会社様の社会貢献への思いと、視覚障害教育への御理解、そして、この取組に御尽力いただいたことに、心より感謝申し上げます。
山本社長様から視覚障害のある幼児児童生徒に届けていただいたメッセージとハンドクリームが、今度は全国の盲学校の幼児児童生徒へと届いていく。
そのつながりの輪が、これからさらに広がっていくことを願っています。
令和8年9月28日 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 森田 浩司
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2025年度
2025年 4月4日「着任の挨拶・学校教育の方向性について・学校としての決意」2025年 4月18日「新しい生活のスタートで学んだ “生きる力” 〜地域とともに、生徒たちとともに〜」
2025年 5月7日「地域に支えられて~放課後等デイサービス事業所との連携~」
2025年 5月23日「理学療法科の授業に協力して:社会に生きる力を育む実践の場」
2025年 6月2日「地元・大阪で輝いたその一蹴——ブラインドサッカー国際大会 優勝の報告」
2025年 6月23日「沖縄慰霊の日に寄せて ~平和を考える給食時間~」
2025年 7月7日「理学療法士国家試験における合理的配慮について ~視覚障害のある受験生のために~」
2025年 7月25日「足元の自然に耳をすませて~飯盛山登山に代わる自然観察から~」
2025年 8月5日「自立へつながるキャンパス体験~「支援を受ける側」から「支援を活かす側」へ~」
2025年 8月21日「視覚障害教育への熱きまなざし ~ それぞれの夏季研修の始まり ~」
2025年 9月2日「「準備は裏切らない!」——全国大会 優勝、そして次の挑戦へ!」
2025年 9月25日「音楽に込めた想い ―音楽科3年生の挑戦」
2025年 10月7日「未来の教師たちとともに ~自立活動の重みを伝えて~」
2025年 10月29日「あふれる二人羽織 ~視覚障害教育の基本~」
2025年 11月4日「からだを診る、こころにふれる ―ALSの方々との出会いから学ぶ―」
2025年 11月27日「「ちいさな力、大きながんばり!」みんなのうんどうかい」
2025年 12月9日「31人の世界が並んだ日 ~ 一日だけの作品展 ~」
2025年 12月22日「未来の理療師~養成施設との連携が拓く理療教育~」
2026年 1月7日「新年にあたってのご挨拶 ―150周年の節目の年―」
2026年 1月30日「挑戦の先に広がる学び ― トビタテ!留学JAPANを通して―」
2026年 2月12日「学校を支える温かなまなざし- 触感に込められた思いやり」
2026年 2月27日「視覚障害教育の現在地― 全国からの120名とともに考えた、授業と協議のかたち ―」
2026年 3月17日「音で感じる、料理の時間―寄宿舎「サウンドフルクッキング」の取組―」
2026年 3月25日「新たな門出 ― 魂のこもった卒業演奏とともに ―」
2026年 4月 1日「学校教育の方向性、創立150周年を迎えて、学校としての決意」
2026年 4月20日「創立150周年の年のはじまりに ― 歴史の中にいる私たち ―」
2026年 5月13日「研修から見えてきた盲学校の現状 ―関東地区盲学校ルール研を開催してー」
2026年 5月25日「本校の創立期を振り返る ― はじまり ―」
2026年 6月11日「人を支える学びの、その先」
2026年 6月22日「受け継がれてきた専門性 ― 視覚障害教育の工夫と積み重ね ―」
2026年 7月9日「人を育て、人に支えられてきた学校― 150年の歩みを支えてきた「つながり」―」
2026年 7月27日「全国につながる支援の輪 ― センターオブセンターとしての役割とは―」
2026年 8月6日「変化の中で進化してきた教育 ― 技術革新とともに歩む ー」
2026年 8月24日「「限界をつくらない場所」― 全国の仲間と学んだ山形大会 ―」
2026年 9月10日「「読むこと、書くこと」をひらいた人― 石川倉次先生と、点字が支える学び ―」

