筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

国語科の目標

 国語科の指導は、「話す・聞く・読む・書く」を柱とし、使用文字の特性を踏まえた上で、以下の項目ごとに、効果的な指導をおこなっています。


話す・聞く

 中学部も高等部もそれぞれ2クラスあります。その中で、中学部は使用文字ごとのクラス編制となり、1クラスは6名です。一方、高等部普通科は使用文字の別なく1クラス8名で、音楽科生徒を加えて10名くらいの集団で授業を行っています。
 これらの集団を通して、他者の発言をきちんと「聞く」ことができる態度を身につけます。これは、視覚特別支援学校に学ぶ生徒にとって、あらゆる学習やコミュニケーションの基本になる力です。
 これと並行し、「話す」ことの指導では、聞き手を意識して、相手に言いたいことが伝わるように話す力を育てていきます。これらは、授業だけではなく、中学部でのスピーチコンテストや全校で開催される校内弁論大会を始め、様々な学校行事やホームルーム、部活動等での話し合いの場なども利用して、そのスキルを高めていきます。


読 む

 点字を使用する生徒には、点字の特性に配慮した読解指導を行います。両手を使って読むことと、自分の思考に適したスピードで読み取れるように常に注意しながら、文章の種類にあわせた効率の良い読解ができるように練習をします。
 墨字を使用する生徒には、文字の見え方に配慮した読解指導を行います。
 また、読解力向上のために、弱視生徒への漢字指導や点字使用生徒への点字の書き表し方の指導を、自主教材によって丁寧に行っていきます。時に文字を音としてしか捉えず、言葉の意味を理解しないまま文章を読んでいる点字使用の生徒に対しては、文字や、文字の持つ意味という基本的なことから指導していきます。
 さらに、物語の読み聞かせを通して、読書の楽しさをクラスメイトと共有する時間をもうけています。読書は情報を補うための大切な間接体験であると考え、司書教諭と連携し、図書館の所蔵図書は教諭が各教科の立場から選定した推薦図書に加え、生徒のリクエストによるものも配架されます。


書 く

 筆記用具を手にとって文章を書き始めることで、自分の気持ちや意見がはっきりしてくるものです。また、書くために段落の構成を考えることが、考えを深め、広げてもくれます。
 まず、日々の学習の記録(授業のノート)を工夫して書けるように指導します。
 さらに、生徒の実態に合わせた独自の教材を作成し、文字や表記の指導を通して、生徒の書く力の総合的な向上をめざしています。
 毎年、校内の読書感想文コンクールを実施し、入選者の作品は「校内読書感想文入選作品集」として配布します。友人の作品を読むことが、書くことへの意欲を喚起します。また、外部の作品コンクールにも積極的に応募し、自分の意見を多くの人に伝えるきっかけとしています。


本校卒業生が執筆した図書等の紹介

   本校卒業生が執筆した図書等の紹介
2021/10/18