筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

外国の点字




  1. バルビエの点字

     フランスの砲兵士官ソヤール・バルビエ(1767〜1841)は従来の線文字から点文字に変えた最初の人である。考案の動機は、軍の暗号のためだった。バルビエの点字は種類が多いが、最終的に縦6点2行の12点点字に到達して1822年に発表した。中村京太郎氏(初代点字毎日編集長・1880〜1964)がパリのヴァランタン・アウィー協会点字図書館で懇請、ようやく入手し持ち帰ったものが資料室にある。

  2. ブライユの点字

     ブライユはバルビエの12点を参考に6点を用いた。まず上の4点をA〜Jの文字にし、次にA〜Jに3の点を加えてK〜Tにした。さらにA〜Jに3と6の点を加えてU〜Zにし、残りの5字はアクセント(略字)を示す文字に充てた。また、A〜Jに6の点を加えて音の結合を表すようにし、最後にWを加えた。

  3. ニューヨーク・ポイント

     ブライユ点字の欠点は、文字の出現頻度を考慮せずにアルファベットを構成していることである。この欠点を解消するため、頻出する文字に最少の点字を与え、使う機会の少ない文字に多くの点を割り当てることで、紙面や労力を少なくしようとしたものである。ジョン・D・ラスが発明したといわれている。

  4. アメリカン・ブレール

     パーキンス盲学校長ドクター・ハウらはニューヨーク・ポイントに反対して、点の配列を改めて日常生活に頻繁に起る文字を最も少ない点で表し、また略字を整えて空間の節約を可能にした。しかし印刷機やタイプライターの発明があってから、点数の多少が大きな問題ではなくなり、このシステムはブライユ点字との差別化の理由を失った。

  5. ニューヨーク・ポイント書記用、点字盤

     英国式点字盤形式、仏国式点字盤形式の2種ある。仏国式は一枚定規で、点字盤そのものが金属製で一面に横凹線がついている。いずれもニュ一ヨーク・ポイントの書記に適するように、マスとマスの間を細くしている。



2025/1/17