筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

Q 羞明や夜盲のある弱視生徒への歩行指導はどのように行っていますか?



 弱視児童生徒の歩行では、様々な諸感覚(例えば、聴覚や運動感覚など)を活用した歩行に加えて、保有視覚を活用します。弱視児童生徒の見え方は様々であることから、指導の際には、歩行時の天候や時間帯、本人の体調による見え方の変化には気をつけなければなりません。
 羞明(まぶしさ)のある弱視児童生徒は、日中の明るい場所では見えにくく、特に暗い場所から明るい場所に変化する環境では、まぶしさを強く感じることがあります。歩行の際には、遮光眼鏡をかける、つば付きの帽子(キャップ)をかぶるなどが良いかと思います。
 また夜盲の弱視児童生徒は、夜間や暗い場所では見えにくいことがあるため、歩行補助具としてフラッシュライトを常時携帯するように指導されると良いです。毎晩同じ環境で歩行する場合には(例えば大学の構内で夜の暗い時間に歩行するなど)、周囲の街灯の設置や電灯を明るいものに変えてもらうなどの依頼をすることで、安全な歩行が確保できます。学校での歩行指導は、昼の時間帯が多いと思いますが、夜の暗い時間帯に歩行指導を設定し、暗い環境下でフラッシュライトを活用した歩行指導も合わせて実施できると良いです。

ライト点灯中
(写真)高照度のLEDフラッシュライト


 *一般の家電量販店でもライトを購入することができますが、例えば日本点字図書館「わくわく用具ショップ」では、体験用としてライトの無料貸し出しも行っています。
 参考:日本点字図書館「わくわく用具ショップ」
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