筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

Q 弱視児童生徒の歩行はどのように指導していますか?



1 白杖の活用
 シンボルとして活用することを勧めています。白杖の活用に抵抗感がある場合でも、白杖を持っていることで援助依頼が円滑にできることや、接触時などの誤解を避けられることなどの事例を挙げながら意識付けをし、必要性の理解につなげます。
 弱視と全盲の白杖の使い方の違いを知って使用するようにし、白杖の種類を適切に選択できるように複数の実物に触れる機会を設定します。

2 補助具などの活用
 単眼鏡を活用するには、予め表示の位置や内容など規則性を知識として得ることで、情報探索の効率を上がるようにします。駅の出発表示、施設の案内表示などのレイアウトを机上で学習して見通しをもてるようにします。
 その後、校外で学習する際には、補助具の活用に気を取られて、急な立ち止まり、人との接触など危険を伴わないよう確認しながら、個々に合ったフィードバックを行います。

3 電子機器の利用
 スマートフォンやiPadを歩行で活用する際には、周囲に誤解を与えないよう掲示や看板などを撮影して情報収集できるようにします。その際、写真の確認や情報検索する場所でのトラブル防止や周囲への配慮について学びます。また情報機器は現地で使うだけでなく、外出前に地図や時刻表などのスクリーンショットを活用するなどの工夫も促します。
飯田橋駅で乗り換えを示す例
(写真)スマートフォンによるスクリーンショットの活用(経路の検索)
  • 行き方や時間を事前に調べて、当日駅などで再確認する。
  • 駅では大きなタブレットを広げるより、ポケットから出すことのできるスマートフォンを使用。
  • 携帯アプリは画面拡大できないものもあり、高倍率にできるスクリーンショットを活用。
  • 狭い画面で拡大率を上げたために一部の範囲しか映っていないスクリーンショット。

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