歩行指導Q&A
    筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

    Q 援助依頼の指導はどのように行っていますか?



     歩行指導における援助依頼は、行動範囲が広がるとともに、比重は高くなり、心理的なハードルもかなり上がります。しかし、援助依頼は買い物をするときに、店員さんに手伝ってもらうなど、生活の中でも頻繁に必要となる内容です。家族や教員など、知っている人以外の他者へ自ら援助を依頼するという経験を小さい頃から積み重ね、社会性を養い、コミュニケーションを取れるようにすることが、非常に重要です。

     指導例を以下に挙げます。

    1. 店員さんにお手伝いをお願いして、一人で買い物をする。
    2. 事故や災害等のトラブルで交通機関が不通になった場合や、下校中電車で降りる駅を乗り過ごしてしまった場合どうすればよいか考えて、教員を相手に練習する。
    3. 有人改札へ行き、駅員に乗り換えの案内をお願いする。
    4. 電車を降りたホームで乗降客に改札までの手引きをお願いする。

     1回の援助依頼でうまく目的が達成できなくても、次、また次と援助を繋いで、目的が達成できれば自信になります。初めは心理的なハードルが非常に高いので、自ら周囲に声を発し、援助を得られれば大成功!として、必ず成功体験につなげられるようにしていきます。また、援助をしてくれた人に対して、全幅の信頼をすることはときに危険であり、警戒心をもちつつ、不審に思った場合にはどう援助を打ち切るかを想定しておくことも必要です。

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