筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

Q 指導前の初期評価はどのようなことをしていますか?



 生徒の実態を把握するため、一つは歩行技術についてのアセスメントを行っています。校内のグランドや通路で音源に向かった歩行や直線歩行などを行い、チェックリストを使用してタッチテクニックやリズム歩行といった基礎的な白杖操作の習得度について評価しています。また、無意識に曲がってしまうベアリングの原因にもなる姿勢や身体の動きについても評価項目に入れています。

 校外では、学校近隣の住宅地で簡単なルート歩行によるアセスメントを行っています。地図の理解や空間概念の形成、聴覚や触覚の活用、障害物の回避などを総合的に評価しています。なお、高等部の新入生は、以上のようなアセスメントを入学後のオリエンテーションの中で実施しています。

 その他では、身体座標軸や歩行に必要となる基礎的な知識や情報についてアセスメントを行っています。方位や身体座標軸といった概念についての理解や、歩行環境にある道路の構造や形状などの理解、また一方通行などの交通ルールに関する知識の理解についてなどです。どうしても指導内容が技術面になりがちですが、知識や情報についても大切な指導になります。これらの実態を把握することにより、今後の課題などを分析し、それぞれの指導目標などを設定しています。

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