筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

Q 児童の白杖の導入はいつ頃行っていますか?



 1980年代後半までは、白杖導入以前に全ての「白杖使用前技能(プリケーンスキル)」(手引き歩行、防御、情報収集、方向づけの技術などのこと、「レディネス」ともいう)を学習すべきであると考えられており、白杖による歩行指導をいつから始めるべきかについては、指導者、研究者の中でも意見が分かれていました。

 しかし、現在アメリカでは、よちよち歩きの幼児期から白杖を導入したり、腰に取り付けるWearable Caneのような歩行補助具の研究開発が進められたりするなど、早期導入のメリットを重視した指導が行われています。今後、海外の情報や研究を参考にし、アップデートされた指導法を取り入れていけるとよいと思います。

 本校小学部では通学時の白杖携行を推奨しており、入学の際に保護者へ協力をお願いしています。白杖の導入は、児童の発達段階や指導目標をもとに総合的に判断し、学校生活に慣れてきた1年次の1学期後半から2学期にかけて実施しています。

 まず初めに、白杖は目の不自由な人の命を守る道具であり、①障害物に衝突するのを防ぐ ②周りの様子を探る ③目が不自由であることをまわりの人に教える の三つの役割があることを知らせます。白杖の基礎的技術の指導は校舎内や学校敷地内で行います。また、白杖を持って通学する準備として手引き歩行の際の白杖の持ち方についての指導も行っています。

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