筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


8月の校長室から


 8月の校長室からをご覧いただき、ありがとうございます。
 猛暑・酷暑の毎日ですが、お元気でお過ごしでしょうか。

 本年最も大きな国際的イベントは、「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」ではないでしょうか。この校長室だよりが掲載される8月1日、つまり大会6日目の時点では、日本はどの競技でいくつのメダルを取っているのでしょうか。日本のお家芸である柔道をはじめ、人気の競泳、最近注目のスケートボードが前半に予定されており、期待が膨らむばかりです。
 ここでオリンピックからパラリンピックに話題を移します。「パリ2024パラリンピック競技大会」は、オリンピック終了後の8月28日から9月8日まで12日間にわたり開催されます。日本は、選手スタッフ総勢300名を超える大選手団となるそうです。本校在学生の出場はかないませんでしたが、卒業生13名が選手として出場します。ゴールボール4名、水泳3名、ブラインドフットボール3名、マラソン1名、トライアスロン1名、柔道1名です。どの競技もメダルが期待されています。先月10日には、本校体育館で壮行会を開催し、大会前の調整等でお忙しい中、7名の卒業生が来校してくださいました。在校生にとっては世界を舞台に活躍する、自分たちの先輩でもあるパラリンピアンに触れ、大きな刺激を受けたようです。(詳細は、本校HPから「教育活動等の紹介」をご参照ください)
 出場選手の皆さんのご活躍を心より祈念いたします。できることなら全校応援団を結成し、現地パリで直接応援したいところです。
 さて、パラリンピックはもともと、「Paraplegia(下半身麻痺)+Olympic=Paralympic」という造語だったそうです。Paraplegiaということから、最初は車いす使用者のための大会だったようです。現在では「Parallel(もう一つの)+Olympic=Paralympic」という解釈に変わっています。また、その意義も、治療・訓練から自発的なスポーツへ、そして競技性の高いスポーツ大会へ、さらに世界最高峰の障害者スポーツ大会へと変わってきています。このように時代に応じて変わってきているわけです。では、「将来に向けてどう変わっていくの?」と考えると、国際社会がインクルーシブな社会を目指すならば、現行のオリンピックとパラリンピックの完全同時開催はできないものでしょうか。競技や種目によっては同じレースで競いあえないものでしょうか。もちろん主催団体、カテゴリー、会場、経費、警備、スタッフ、宿泊等の課題がたくさんあり、難しいことは分かっています。夢のような話かもしれませんが、もしも実現したらと思うとちょっと興奮しますね。パラリンピアンの活躍を見て、夢を抱いて育っていく子供たちのだれかが「オリンピックとパラリンピックを一緒にやってもいいんじゃない?」と、課題提起してくれることも期待しながら、テレビで観戦したいと思います。

 頑張れJapan!


令和6年8月1日
筑波大学附属視覚特別支援学校
校長 青木 隆一

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2024/8/1