このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
7月の校長室から
7月20日に終業し、その後も高等部生は部・クラブ活動、補習等を行っていたのですが、全て終わり、今は様々な教職員研修会やを実施しているところです。
現在、新型コロナウイルス感染者の爆発的な増加に危機感を募らせているところですが、今学期は、学級閉鎖をすることもなく、ほぼ予定通りに教育活動を行うことができました。幼児児童生徒の皆さんの感染症に対する取組と保護者のみなさまのご協力に感謝申し上げます。
7月に入ってからは、久々の関東地区盲学校フロアバレーボール大会が水戸市で開催されました。優勝、そして全国大会出場を目指し、練習に励んでいたフロアバレーボール部員にとっては、残念な3位という結果でしたが、試合の中で、お互いに声を掛け合い、励まし合いながら楽しんでプレーする姿は、久しぶりに大会で試合ができる喜びに溢れていました。夏休みに入ってからの練習では、3年生が今までの経験や技術を1・2年生に丁寧に教える様子があちこちで見られ、フロアバレーを通した絆を感じました。
15日・16日は、長瀞での中学部夏季学校。泊を伴う夏季学校は2年ぶりでの実施となりました。全員が元気に参加し、岩畳観察や野外炊事など、ほぼ予定通りに実施することができ、生徒一人ひとりにとって、貴重な経験になったことと思います。詳しくは、以下の本校HP教育活動のページをご覧ください。
https://www.nsfb.tsukuba.ac.jp/activity/edu-activity2022-1.html
そして、18日は高等部の文化祭。今年度のテーマは「リスタート! 文化祭復古の大号令」と生徒たちの思いが込められたテーマです。午前はクラス毎の朗読劇、午後は有志グループや軽音楽部、音楽科生徒等によるバンド演奏、合唱等。昨年度に比べると、朗読劇のレベルがとても高くなっていて、驚くほどでした。一人何役もの声を使い分けて演じたり、効果音を有効に使ったりと、各グループで工夫を凝らしていました。各20分間ほどの持ち時間に、それぞれ6グループが思いを込めて、緊張の表情を見せながらも生き生きと演じていました。
ことばで伝える、そして、聞き手が、そのことばでイメージを拡げていくという空間の中で、ことばはコミュニケーション手段であるだけでなく、思考する、感情を共有する手段であることを改めて実感しました。限られた時間の中で、話し合いがまとまらず、大変な思いをしたことや寝不足で辛い思いをしたこともあったようですが、終了後、「楽しかった!」という声があちこちから聞こえ、充実感、達成感に満ちた表情をしていた生徒たち、一人ひとりの生徒たちがそれぞれに関わりながら、主体的に行事を創り上げながら楽しむ姿、とても嬉しく頼もしく感じました。
また、午後からの演奏等では、日頃、見せない、隠している生徒の姿や表情を見ることができ、新たな発見をするとともに、生徒たちの持っている才能に感心させられました。
コロナ禍の中であっても、「できることをできるかたちで、工夫しながらやってみよう」ということが定着し、年々、取組が深化してきていることを感じています。
令和4年7月27日
筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 星 祐子