筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


3月の校長室から
「年度末を迎えました。」

 3月に入り、小学部、中学部、高等部がそれぞれ、箱根、小田原・箱根、静岡方面へ修学旅行に行ってきました。延期に延期を重ねた修学旅行、1泊2日と当初の計画よりも泊数を減らしての実施となりましたが、児童生徒たちの満足げな表情から「とにかく楽しんだ」修学旅行だったことが見て取れました。

 そして、3月15日の卒業式、今年度の卒業式は、新型コロナウイルス感染症対策のため、幼稚部・小学部、中学部及び高等部普通科・音楽科、高等部専攻科の3部に分け、保護者、関係教職員で新しい一歩を踏み出す卒業生・修了生を祝福しました。在校生は、人数制限のため、式には参列しませんでしたが、前日までに各部・科で思い出を語り、門出をお祝いする場を設けるとともに、玄関と式場の体育館前の壁面を飾りつけ、卒業・修了と新たな旅立ちをお祝いしました。

玄関の壁面飾り体育館前の壁面飾り

 卒業式では、一人ひとりに卒業証書・修了証書を渡しました。証書を受け取る凛とした姿を見て、卒業生・修了生が本校で過ごした日々を思い返しました。約2年間は、コロナ禍でいろいろな活動が制限された中での生活、しかしながら、何もできないとマイナス思考では考えずに、このコロナ禍でもできること、コロナ禍だからできることを考え、実行していきました。私は、この1年間の様子を知るだけですが、小学部の卒業生は、休み時間にみんなで楽しめる創造的な遊びを考えて下級生に呼びかけ、みんなで楽しく遊んだり、中学部・高等部の卒業生は文化祭に替わるものとして、朗読劇発表会を中心になって進めたり、専攻科鍼灸手技療法科の生徒は、治療室での臨床実習が十分にできない中で、教職員の施術を行い、技術力を磨いたりと様々な工夫を重ねてきました。
 これからも、一緒に過ごした仲間、そしてこれから出会う仲間を大切にして、人の痛みを感じ取れる「豊かな感性」と冷静に考え行動できる「本物の知性」を持ち続けていってほしいと思います。そして、しっかりと前を見据えて、大いなるチャレンジ精神をもって、自分の選んだ道を堂々と歩いていってほしいと願っています。

本校の桜の写真

 18日には、修了式も終え、今は学校に幼児児童生徒の姿はありませんし、元気な声も聞こえませんが、廊下には教室移動や整理のために荷物が出され、あちこちで打ち合わせを行い、新年度の準備を行っています。4月に、進級したみなさんと新入生を迎え、新しい年度がスタートすることを楽しみにしております。


 こうした中、嬉しいニュースがありました。2月末に行った、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の国家試験合格発表で、今年度の鍼灸手技療法科の卒業生は、あん摩マッサージ指圧師の試験に全員合格することができました。はり師、きゅう師については、全員合格とはならなかったのですが、台湾からの留学生は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、すべてに合格しました。社会福祉法人国際視覚障害者援護協会(International Association for the Visually Impaired 略称IAVI)で半年間、日本語や日本文化・生活等を学び、本校で3年間、鍼灸手技療法に係る専門的知識を学び、臨床実習を積み、日本語で試験を受けての快挙です。また、今年度の理学療法科の卒業生は1名のみだったのですが、理学療法士の国家試験に合格しました。
 4月からは、医療従事者として勤務する者、学びを継続する者、あるいは母国に帰国し、施術に当たる等、それぞれの場で、知識や技術を活かして活躍することを期待しています。

 1年間、保護者や関係する多くの皆様に本校の教育活動へのご理解とご協力をいただきましたこと、ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。


令和4年3月29日
 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長  星 祐子

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2022/3/29