このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。
2月の校長室から
急に、暖かくなってきました。あちこちから花の便りが届くようになりましたが、ここ数日、世界では平穏な日常が奪われるばかりか、命が奪われる、命の危険にさらされるという恐ろしいことがおきています。一日も早く平和な日々が戻ることを願っております。
2月19日に開催した「第18回視覚障害教育研究協議会」には、約130名の方々にご参加いただきました。記念講演と併せ、各部等から本校の教育活動の一端を報告させていただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。「パラリンピック金メダルへの挑戦」と題した木村敬一氏(東京ガス所属、本校卒業生)の記念講演については、オンデマンドで視聴することが可能(3月7日~31日の期間内)ですので、以下のURLからお申し込みください。
https://onl.la/PRFVvaj
筑波大学附属学校教育局では、令和3年度文部科学省委託事業「特別支援教育に関する実践研究充実事業」(研究テーマ:盲ろう児に対する指導の充実)を受託し、事業に取り組んでいます。
視覚と聴覚の両方に障害のある盲ろうの子どもたちは、視覚障害と聴覚障害の状態、視覚と聴覚以外の障害の有無、コミュニケーション手段等、一人ひとりの状態像は多様ですが、情報入手に多大な支障をきたし、コミュニケーション獲得と概念の理解に多くの困難性と時間を要することは共通しています。そして、盲ろう幼児児童生徒を担当する教員は、視覚障害と聴覚障害の的確な把握、発達段階の把握、適切なコミュニケーション手段等で困難さを抱えていることが明らかになっています。
このような状況を踏まえ、本事業では、これまでの盲ろう幼児児童生徒を対象とした教育の指導実践事例の集積を図り、教材・指導法のデータベースを構築すること、オンライン等の研修を実施すること等に取り組んできました。
これら1年間の取組について、3月26日(土)にオンラインにて事業報告会を行い、本校から2事例を報告する予定です。幼稚部からは、スケジュールボックス等を活用しながら、対象幼児が一日の生活や活動に見通しをもてるようにする工夫と本児の「やりたい」気持ちや「やりたくない」気持ちなど意思や主張を受け止め、双方向のやり取りを重ねている様子等を報告する予定です。また、小学部からは、時間割ボックスとオブジェクトキュー等を使ったやり取りの様子や文字や数への興味・関心を育てている様子等を報告する予定です。詳細は、後日、ホームページ等で案内いたしますので、視聴について検討いただければ幸いです。
令和4年2月28日
筑波大学附属視覚特別支援学校 校長 星 祐子