筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


10月の校長室から

 日に日に秋の深まりを感じる季節となりました。敷地内の柿がたわわに実り、木々が色づき始めました。先週末、小学部の4年生が、「99個目のゴーヤです。あと一つで100個になります。」と学級菜園で採れたゴーヤを届けてくれました。 夏の暑い盛りから実をつけてきたゴーヤ、各ご家庭での食卓をにぎわせながら、学校の話題に花を咲かせたことと思います。

 今月は各部科で多くの行事が行われています。1日は、全国盲学校弁論大会がオンラインで開催され、本校高等部2年生が関東・甲信越地区代表として、「チャレンジで未来を」と題し、堂々とした弁論を行いました。本弁論大会を皮切りに、主だった行事だけでも幼稚部の親子芋ほり、理療教育研究セミナー、定期演奏会、高等部1年生の2泊3日の秋学校、中学部文化祭と続きます。行事を実施するに当たりましては、関係機関の皆様の多大なるご配慮をいただきまして、心からお礼申し上げます。

 10月16日(土)には、タイ視覚障害者支援クリスチャン財団の生徒と本校高等部の2年生がオンラインにて交流を行いました。文科省の「トビタテ!留学JAPAN」に応募し、2018年度からタイ国に生徒が短期留学をしてきましたが、昨年度、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、留学することができず、オンラインで定期的に交流を進めてきたところです。今回は、日本とタイの視覚障害教育の共通点や違いについて学ぶこと、異文化を学ぶことで国際感覚を身につける機会とすること等を目的として実施しました。全体会後、インクルーシブ教育班、ICT班、異文化班の3班に分かれ、班ごとに英語でディスカッションを行いました。英語のみの使用ということで、ドキドキの時間を過ごしたことと思います。
 本交流活動には、本校卒業生で、タイ国で「アークどこでも本読み隊」を主宰する堀内佳美さんが通訳を兼ねてサポートに入ってくださっています。堀内さんは、本校高等部在学中に、アメリカ・ミネソタ州の盲学校に1年間の交換留学、その留学期間中にタイ人の高校生と知り合ったことをきっかけに、タイ語の勉強を始め、高等部卒業後、国際基督教大学(ICU)に入学。入学後もタイのタイ盲人雇用促進財団で日本語と英語を教える活動に取り組んだり、国立タマサート大学(TU)に留学し、タイの歴史や仏教、少数民族の文化、経済などを学んだりしました。そして、大学卒業後は、大手証券会社で翻訳家兼翻訳管理者として勤務したものの、「国際協力こそが我が道」と決め、2014年1月に「アークどこでも本読み隊」の法人登録を済ませ、現在は、移動図書館を含む二つの図書館の運営や三つの幼児教育センターの運営を行っています。ちなみに、「アーク」(ARC)は、Always Reading Caravanの頭文字からとった表記です。ポジティブで快活、行動的な堀内さんから本校生徒はたくさんのことを吸収しています。

 11月には、筑波大学の陸上競技場を借用し、関東地区盲学校陸上競技大会、延期になっていた小学部運動会等を開催する予定です。また、治療室も人数を制限しながら、外来の患者様の施術に当たる予定です。
 実りの秋に、幼児児童生徒が豊かな経験をする機会を創造していきたいと思います。


令和3年10月19日
 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長  星 祐子

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2021/10/19