筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

 このページでは筑波大学附属視覚特別支援学校長より、このWebをご覧になった方へご挨拶申し上げます。


5月の校長室から

 新緑の季節を迎えました。敷地内のフキが葉を拡げ、ビワの実が大きさを増し、色づいてきました。
 ゴールデンウイーク明けから、2名の学生が中学部、高等部で教育実習を行っています。教育実習生にとっての学びだけではなく、生徒たちも授業内容のことはもちろん、大学生活等についても質問をし、刺激を受けているようです。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出されている中で、学校にお越しいただくことが難しい昨今、少しでも学校の様子をお伝えすることができればと思い、ホームページに「教育活動等の紹介」ページを設けましたので、お時間のある時に、どうぞご覧ください。

 昨日、幼稚部さくら組(年長)、小学部1・2年生が、そら豆とグリンピースのさやむきをしました。まずは、そら豆、「大きい!」、「かたくて、むくのが大変!」、「3つ入っていた」と言いながら、さやをむいていきました。活動の中で、さやの硬さや形、さやの内側がふわふわしていることなど、それぞれに気づきがあり、さやを触って、「膨らんでいるところが3つあるから、中に入っている豆も3つかな」、「ここはちょっと膨らんでいるだけだから、小さい豆が入っているかな」などと、予測しながらむいたり、出てきた豆の大きさ比べをしたりしていました。そして、グリンピース、そら豆と大きさを比べたり、中に入っている豆の数を数えたり、子どもたち一人ひとりが「感じる」「考える」場面がありました。幼稚部の子どもたちは、それぞれのご家庭で味わっていただき、小学部の子どもたちが取り出したそら豆とグリンピースは翌日の給食のメニューに加わりました。
 そして、本日。給食の献立に、グリンピースご飯とゆでそら豆が登場しました。
 小学部1・2年生は、いつにも増して、給食が楽しみで、「私がとったグリンピースも入っているね」、「ぼくのむいたそら豆のような気がする」とおいしくいただきました。

 視覚障害のある子どもたちにとって、実際に体験することはとても大事なことです。言葉は聞いたことがあっても、実際は見たことがない、触ったことがないといったことがありがちです。実際に体験して、触って、見て、気づくことがたくさんあります。特に、低年齢段階では大切にしていきたいことです。

 新型コロナ感染拡大の中で、「触る」ことに対して、尻込みしがちですが、しっかりと感染対策を取りながら、「触覚を十分に活用して、具体的な事物・事象や動作と言葉とを結びつけて、的確な概念の形成を図り、言葉を正しく理解し活用できる」ような活動を積み上げていきたいと思います。

 令和3年5月18日
 筑波大学附属視覚特別支援学校 校長  星 祐子

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2021/05/20