筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

自立活動

自立活動とは

 「自立活動」は自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識・技能・態度及び習慣を養うことをねらって設けられている領域です。

 本校には小学部に1人、中学部・高等部に7人の専任教諭がおり、個々の見え方や発達段階、ニーズに応じた指導を行っています。

1.小学部における自立活動

 小学部では、週1~2時間の個別又は小集団の授業を行っています。児童の発達段階や課題等を考慮し、専任教諭と学級担任とで指導にあたっています。

 また、保護者や担任・本人の願い等を把握した上で個別の指導計画を作成し、以下のような指導目標や指導内容のもとに自立活動を行っています。

1.探索能力の向上
 興味のある物に手を伸ばしたり、見ようとしたりする力を育てます。点字使用児童の場合、両手で触って確かめたり、事物の構造を把握したりできるようにします。墨字使用児童の場合は、自分の目で上手に見たり弱視レンズなど視覚補助具を使って物を見たりする練習もします。

2.適切な姿勢や運動・動作の習得
 体操などを通して関節を意識して体を動かすことや、いろいろな姿勢および動作などを経験し習得できるようにします。

3.歩行能力の向上
 教室の中にある物の位置関係を知ったり、校舎内や校内の移動ができるようにします。また、白杖を使って学校の近くのお店まで一人で行って買い物をしたり、公共交通機関を利用して目的地へ行く練習もします。

4.作業能力の向上
 両手で物を扱ったり各種道具の使い方を練習します。また、能率良く作業を進めるために作業手順を考えたり環境を整えたりする工夫を先生と一緒に考えます。

5.日常生活技能の向上
 衣服の着脱、食事、整理整頓といった自分の身の回りのことが自分でできるようにします。また、電化製品の使い方などを経験する機会も設けています。

6.コミュニケーション能力の向上
 意思の相互伝達や場に応じたコミュニケーションの仕方について考えます。また、点字の初期指導や切替指導で点字の基礎を身につけます。コンピューターなど、ICT機器を用いてやりとりを行えるよう、基礎的な学習も行います。

7.心理的な安定や意欲の向上
 自分の障害について知り、留意すべき点を理解して行動したり、困難なことでも、補助具の活用や援助依頼など様々な工夫によって、改善できるということを、体験を通して学びます。

2.中学部における自立活動

 体や手指を使う実際の経験を通して、日常生活に必要な基本的知識・技術の習得を目指しています。

 中学部では1年生は1時間、2年生は2時間、3年生は1時間の授業があり、点字使用生徒には、歩行指導、日常生活技術指導、パソコンを中心とした情報機器の指導、必要に応じて点字指導に取り組んでいます。
 墨字使用生徒には、文字指導や弱視補助具の指導、日常生活技術指導、パソコンを中心とした情報機器の指導などを行っています。
 その他に、入学時には校内オリエンテーション、卒業時にはテーブルマナーの指導を実施しています。
 また、急激に視力が低下した生徒に対しては特別時問割を設けて必要な指導を行っています。


3.高等部における自立活動

 卒業後の社会生活を想定して、中学部での実技・経験を中心とした基礎的な内容をさらに深めた知識・技術等が習得できるように、教科と連携をとりながら、一人一人に必要な内容を指導しています。また、青年期における個人を確立していく時期でもあるので、「心の自立」も大切です。自己の障害理解に加え、仲間の障害も理解する中で、自分の苦手な部分と向き合えるようにしています。

 入学時オリエンテーション期間に自立活動に関する初期評価を行います。1年生は前期・後期に分けて半年間、週2時間の授業(「生活基礎技術」)があります。2・3年生は以下のような指導内容を選択で決めています。

 その他、3年生には卒業前に、進学後に必要な歩行・情報等の集中指導やメイク講習会を実施しています。
 また、急激に視力が低下した生徒に対して、特別時間割を設けて必要な指導を行っています。

4.専攻科における自立活動

 鍼灸手技療法科、および音楽科は選択履修となっています。理学療法科には自立活動の授業は設置されていません。

 授業の有無にかかわらず、点字指導や歩行指導、弱視補助具の使用など、学習環境の整備や社会自立・参加に向けた指導を行い、個々の生徒のニーズに対応しています。

5.歩行指導Q&A

6.弱視教育Q&A

2023/1/11